「真水であと200億円を創り出す」(NTTデータの榎本隆副社長)──。NTTデータは、今期(2011年3月期)の海外売上高1000億円の目標達成に向け、海外での受注やM&Aを加速させる。同社の昨年度(10年3月期)の海外売上高は約700億円で、今期はこれに約300億円を積み増す方針を示す。

榎本隆副社長
 今年6月、日本円換算で年商約113億円、ERP関連サービス企業の米Intelligroup(インテリグループ)の子会社化を発表。これによって目標達成まで、残り200億円ほどにまで詰め寄った。

 続く7月には、米子会社M.I.S.I.を通じて米Cue Data Services社の事業譲受(譲り受ける社員規模は約15人)、ドイツ子会社itelligence(アイテリジェンス)による英Chelford SAP Solutions社(社員規模約60人)のグループ化など、矢継ぎ早にM&Aを展開。だが、長引く円高傾向で海外ビジネスの円換算が会計上減少して見えることや、海外ライバル会社との競争の激化など、課題は依然として多い。

 グローバル事業担当のNTTデータの榎本隆副社長は、「今期海外売上高1000億円の目標は変えない」と、逆風下でも目標達成に強い意欲を示す。

 一方で、追い風も吹く。新しくグループに迎え入れた米Intelligroup約2100人の社員のうち、開発人員を中心として約1000人がインドで勤務。NTTデータグループは、これまで中国で1000人規模のオフショア開発人員を擁していたが、インドでは手薄だった。 中国の開発拠点では日本からのオフショア開発の発注に加え、中国地場のIT需要が急増。人員のやり繰りが逼迫している。今回、インドでの開発体制を増員したことによって、中印合計で約2000人規模と倍増。開発余力の拡大やコスト競争力の向上により、「グローバルでの受注増に弾みがついている」(榎本副社長)と手応えを感じている。新たなM&Aと併せて目標に迫る考えだ。(安藤章司)