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アイ・ティ・フロンティア SMB向けERPで10社のプライム受注目指す 業種テンプレートの拡充を推進

2010/09/30 10:17

週刊BCN 2010年09月27日vol.1351掲載

 三菱商事グループで、SAPソリューションに強いアイ・ティ・フロンティア(日下茂樹社長COO)は、今年度(2011年3月期)に、中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)で10社のプライム受注(ユーザーからの直接受注)を目指す。

本間篤雄ユニット長
 アイ・ティ・フロンティアは、業種テンプレートの拡充を進める。流通・小売業向けソリューションを得意としており、「アパレル輸入商社ソリューション for Microsoft Dynamics AX」をすでにラインアップに揃える。

 本間篤雄・SMBソリューションユニット ユニット長は、「ニッチな分野で業界テンプレートを開発していきたい。例えば、アパレルといっても靴やインテリア、香水、洋服など多岐に渡る。靴の専門商社向けのソリューションなどが考えられる」と説明する。

 ERPソリューションについては、業務プロセス型アプローチと既存システム構築型アプローチに大別している。ビジネスプロセスの再定義による経営効率化を図る前者に当てはまるのが「Microsoft Dynamics AX」と「SAP Business One」で、現行システムの機能を可能な限り踏襲する後者は「ProActive E2」と「奉行 V ERP Enterprise」で対応する。

 なかでも、「Microsoft Dynamics AX」の拡販に主軸を置き始めており、07年の出荷以来、これまでに納入実績が9社を数える。一方で、2008年にパートナー契約を結んだ「奉行 V ERP Enterprise」は、納入実績が2社にとどまり「手作り感覚が多いため伸び悩んでいる」(本間ユニット長)。「ProActive E2」は、2009年11月に住商情報システムをパートナー契約を結んだばかりで2社の受注実績がある。

 クラウドサービスの提供には、慎重な姿勢をみせている。SaaS型の文書管理サービス「OluOlu CABINET」はすでにローンチした。本間ユニット長は「ハードウェアベンダーは価格面で優位に立つ。当社はどう差異化を図るか。会計事務所のコンサルティングサービスなどで付加価値をつける必要がある」とみている。(信澤健太)

Dynamics AX の画面

画面カスタマイズの例
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