【上海発】大阪ガスの100%出資会社であるオージス総研(平山輝社長)と中国・大連市のソフトウェア開発会社、通華科技(大連)有限公司の合弁会社、上海欧計斯軟件有限公司(許炎・董事長兼総経理)は、大阪ガスから主に請け負うオフショア開発やビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)の事業に加え、中国現地の日系企業向けにセキュリティ関連の製品の外販を積極化する。

 上海欧計斯軟件有限公司は、2007年10月、通華科技(大連)有限公司51%、オージス総研49%の出資で設立された。これまでは、大阪ガスのシステムに関連する受託開発やガス導管や水道管等の地下埋設物を中心とした地図情報システムの管理・運営を受託する「マップメンテナンスBPOサービス」など、中国の人員を活用して安価な開発・支援を請け負っていた。また、オージス総研のグループ会社、さくら情報システムが手がけるBPOのエントリー作業の中国内のハブになることなどで、年商約1650万元(日本円で約2億円)の収益を上げている。

 オージス総研は、今年4月に海外日系企業のIT支援を統括する新組織「グローバルビジネス推進部」の立ち上げに伴って、中国でも日系企業へのサービス提供を拡充している。この一環として、上海欧計斯軟件有限公司では、企業向けの大容量ファイル転送サービス「宅ふぁいる便」やオープンソース違法利用防止ツール「Palamida」など、企業のセキュリティに関連するプロダクトの直販展開を開始した。

 中国常駐の細谷竜一・開発部長は、「中国にブランチオフィスをもつ日系企業は、日本の本社とのデータのやり取りに大変苦労している」と、「宅ふぁいる便」の通信履歴管理や、大容量データ送信が可能な企業版のニーズがあると説明する。同社は今年8月頃から、日系企業に対して「宅ふぁいる便」を企業別にカスタマイズして提供する提案活動を本格化している。

 また、オージス総研は業界内に2製品しかないカテゴリの「Palamida」の代理店として、知的財産を明確に管理する必要がある輸出系の日系企業や中国企業に売り込む。すでに、大連情報産業局大連ソフトウェア産業協会が遼寧省だけで展開している中国版プライバシーマーク「PIPA」の認証取得に関する支援を行っている。これらを相互に連携させ、セキュリティ分野で外販していく。

 中国常駐のソリューション開発本部グローバルビジネス推進部の畑晋平氏は、「中国政府が認定する『国家重点ソフトウェア企業』に名を連ね、中国での認知度向上と市場拡大を図りたい」と語る。これに認定されている日系のITベンダーは十数社。同社は来期(2011年12月期)にも、この認定が受けられるよう収益力を上げていく方針だ。(谷畑良胤)

左から上海欧計斯軟件有限公司の細谷部長と畑氏