KDDIは、12月1日付で田中孝司氏が新社長に就任したことに伴い記者会見を開催し、田中社長が「新しいKDDIをつくる」とアピールした。

 ネットワークの進化とともに、さまざまな端末がネットワークにつながるマルチデバイス化が進み、デジタル関連製品やウェブサービスなどを手がける企業のビジネス領域は広がりつつある。グーグルやヤフーなどが通信事業者を脅かす存在にもなりつつあり、競争は一段と激化している状況だ。

 「当社を取り巻く環境は、大きく変化している」と口火を切った田中社長は、このような時代だからこそ、「改めて進むべき方向性を固めることが重要」と訴えた。固定電話と携帯電話を融合した通信サービス「FMC」だけでなく、ケーブル会社のジュピターテレコム(J:COM)の買収も、「今後は放送(映像)も加えた『FMBC』(固定通信と移動通信と放送を融合した通信サービス)を視野に入れなければならない」(田中社長)という動きの一環だ。

 KDDIは、国内だけでなく海外でもビジネスを拡大する。「アジアを中心にコンシューマ向けビジネスに着手する」という。これまでは法人ビジネスを柱にしてきたが、海外では消費者を加入者として獲得することによって、「2000億円プラスアルファを狙う」方針を示した。そのために、アジアの通信事業者とのアライアンスを模索するほか、「コンテンツ面など、さまざまな企業とパートナーシップを組んでいく」ことに力を注ぐ。

 スマートフォンについては、このほど発売した「IS03」が順調に立ち上がったほか、「来年度(2012年3月期)はラインアップを拡充していく」と、競合からの遅れを取り戻していく。スレートについては、「単にWi-FiやWiMAXが搭載されているというだけでなく、新しい端末として位置付け、ワクワクするような製品を発売する」予定を立てている。

 第二電電として誕生し、DDIとKDD、IDOの合弁会社として2000年に生まれ変わったKDDIは、今年で設立10年を迎えた。田中社長は、「当社はNTTの対抗軸として誕生した。お客様のメリットのために、対抗心をもち続け、競争環境を維持していく。今は通信だけの競争ではない。新しいことに取り組んでいく」と、力強く意気込みを語った。

田中孝司新社長