フォントを開発・販売するダイナコムウェアは、2011年に、30~40%の売り上げ拡大を目指している。iPadやスマートフォンなど、新型端末でのコンテンツ表示にはフォントが必要不可欠と判断し、新型端末に適したフォント技術を開発しながら、端末メーカーなどを新規のOEMターゲットとして狙っていく。また、来年から中国での事業拡大を加速する。2012年をめどに、中国の売り上げ比率を日本と同等のレベルに引き上げることに取り組む。

 2010年はダイナコムウェアにとって、大きな変わり目の年だった。郭嘉生社長は、「これまで、印刷業界向けのフォント提供を事業の柱としてきたが、2010年は新しい事業分野を開拓するための基盤を築いた」と語る。同社は、新型端末の普及とともに、書籍などのコンテンツのデジタル化が進化していることを受け、新型端末向けフォントの需要が高まっているとみている。タブレットや携帯電話、カーナビゲーションなどのデジタル・デバイスのメーカーをOEM事業の新しいターゲットに据えており、これを柱として事業拡大に本腰を入れていく。

 これまでのデバイス・メーカーへの導入実績として、大手の端末メーカー2社などに、小型画面でもクリアな文字表示を実現したフォントを提供した事例がある。導入メーカーの増加を目指して、パートナー関係を強化していく戦略だ。現在、およそ7社の技術・販売パートナーと連携している。「2011年には、パートナーの数を12社に増やしていく」(郭社長)ことに向け、動きを加速させている。

 日本での売り上げ拡大と同時に、中国での事業拡大を推し進めていく方針だ。「現状では、日本市場の売り上げ比率が最も高いが、2012年をめどに、日本と中国の売り上げ比率を同じレベルに引き上げることを目指している」(郭社長)という。さらに、2012年以降は、中国での売り上げ比率が日本を上回ることを見込んでおり、中国市場の成長への期待が大きい。

 郭社長は、「2011年の売り上げ拡大を踏まえて、コンテンツのデジタル化に応じた『ネットワーキング・ソリューション・プロバイダ』への変貌を実現していきたい」と、いち早くフォント市場の変化に対応していく考えを示している。(ゼンフ・ミシャ)

郭嘉生社長