富士通(山本正已社長)は、2010年度(11年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年度比3.2%減の4兆5284億500万円、営業利益が40.5%増の1325億9400万円、経常利益が51.6%増の1078億8500万円、当期純利益が40.8%減の550億9200万円となった。海外売上高比率は35.1%。前年度に比べて2.3ポイント落ちた。また、東北地方太平洋沖地震の影響による営業利益のマイナス幅は124億円とした。

 セグメント別でみた業績は、ソリューション・SIやサーバー・ネットワーク機器販売などの「テクノロジーソリューション」が、売上高が前年度比3.7%減の3兆143億円、営業利益が6.0%増の1628億円。パソコンや携帯電話販売などの「ユビキタスソリューション」は、売上高が0.5%増の1兆1256億円で、営業利益が44.3%減の226億円。LSIおよび電子部品の「デバイスソリューション」の売上高が7.0%増の6306億円で、営業利益が209億円。

 今年度の通期見通しは、東北地方太平洋沖地震の発生で予測が困難として発表していない。記者会見で山本社長は、「富士通の生産能力は完全に立ち上がったが、不確定要素がまだ多い。合理的な業績予想の算定が難しい」とし、配当金についても「現時点では未定」とした。

 ただし、加藤和彦執行役員取締役専務は、「ユビキタスソリューションのうち、モバイルウェアはかなり厳しい状況だろう。しかし、SIやソリューション事業では悪い話は出ていない。クラウド系のビジネスは依然引き合いが強く、引き続き活発化するだろう。データセンターを増床するつもりだが、増床分以上の需要がある」と話し、明るい見通しを示した。

 節電対応について、山本社長は「夏場の電力不足を予測し、25%の削減に向けてさまざまな施策を進めている。一部では15%の規制という話がでているが、15%は現時点で十分可能だと思う」と説明。節電施策の一環として、「自社でシステム開発用に活用しているサーバーを、関東以外の地域に移すことを検討している」としながら、具体的に「当社の開発拠点は関東にあり、そこで約1万台のサーバーを使っている。うち3000台を兵庫県と富山県にあるデータセンターに移すことを考えている。3~5%の節電効果が見込める」と述べた。(木村剛士)

記者会見で業績を説明する山本正已社長