アクシスソフト(永井一美社長)は、このほど約6年ぶりのメジャバージョンアップとなるリッチクライアントの最新版「Biz/Browser V」の出荷を開始した。

 「Biz/Browser」は、基幹業務システムを効率的に操作・運用するフロントエンド基盤として、ウェブシステムの操作性やレスポンスなどの課題を解決し、ストレスのない入力業務を支援するミドルウェア。1998年に初版の「V1」を発売して以来、「Biz/Browser」と専用開発ツール「Biz/Designer」は、合わせて約800社に納入した実績をもつ。

 最新版の「Biz/Browser V」は、永井社長によれば「初版リリースから12年間に寄せられた声を反映した『Biz/Browser』の集大成となる戦略製品」だ。ユーザーの要望を取り入れて100種類以上の機能を強化し、同時に開発者や販売パートナー施策もてこ入れする。

 最新版では、新たに「Biz/Browser」内部でHTML表示ができるHTMLビュアー機能(HTML View)や、画面サイズに応じて項目の表示サイズを拡大・縮小できる画面スケーリングによるユニバーサルデザインへの対応、Excelライクな表示で高機能なスプレッドシートの提供、.NETクラスライブラリ(Microsoft .NET Framework SDK に含まれるクラス、インターフェイス、値型のライブラリ)の利用などを実装した。

アクシスソフトの永井一美社長

 HTMLビュアー機能は、「Biz/Browser」内部でHTMLの表示ができ、既存資産を有効活用できる。また、以前のバージョンから継続して、汎用ブラウザのバージョン変更による環境差を吸収することができる。永井社長は「HTMLベースのアプリケーションを内包したことで、より柔軟なシステムを実現することができるし、Flashのよい面を使うことができるようになった」という。

 また、スケーリング機能で、画面サイズに合わせて項目の表示サイズを拡大・縮小し、各端末で異なる画面解像度に影響されることなく表示できるようになった。これによってユニバーサルデザインに対応し、多種多様なクライアント端末への実装負荷を低減した。さらに、「SSpread」という新機能では、セルの色指定や枠線、計算式などExcelに匹敵する高機能なスプレッドシートを標準搭載。これによって、Excelからウェブシステムへの移行がスムーズになった。

 開発に役立つ新機能として、.NET DLL連携を追加した。.NETクラスインスタンスを「Biz/Browser」から作成・呼び出しができるようになったほか、外部リソースを利用するためのDLL開発の工数を軽減できる。永井社長は、「リッチクライアントの特性を生かしながら、クライアントOSの機能を活用したシステム構築が容易になった」という。

 アクシスソフトは、集大成である「Biz/Browser V」の拡販のために、パートナー施策を強化。旧バージョンでは有償提供していた「Biz/Browser」専用開発ツール「Biz/Designer」の開発ライセンス(25万円/税別)と利用料(年間5万円/税別)を無償化した。また、パートナープログラムを強化し、「Biz/Browserスペシャリスト育成プログラム」を開始している。技術者と営業担当者向けに無償トレーニングを実施するほか、「技術者認定制度」を設け、アクシスソフト公認エンジニアを育成する。このほかにも、同社の獲得案件に対するパートナーとの共同アプローチや、パートナー向けの相談窓口となるポータルサイトなどの情報提供を拡充する。

 永井社長は「04年に出した『Biz/Browser V4』でWindowsOSに対応し、ハンディターミナル向けに浸透した。これからのターゲットも、ここが主力になる」と話す。永井社長によれば、今年度(2012年3月期)中にAndoroidに対応し、続けてLunuxやGoogle Chrome OSを次世代版で搭載していくという。

 なお、アクシスソフトは、6月29日に東京・神田のベルサール神田で、「変化に強い企業をつくる情報システム戦略~ユーザー主導のシステム構築が経営を加速化させる」をテーマに、プライベートイベント「Biz/Browser Innovation 2011」を開催する。(谷畑良胤)