東京・港区の六本木アカデミーヒルズで開催中の「BCN Conference」。NECの岩波利光副社長兼CMO(チーフマーケティングオフィサー)が、「人と地球にやさしい情報社会へ」と題して特別講演を行った。岩波副社長は「災害に強い情報システムをつくっていくことが大切」として、先の東日本大震災を踏まえ、ビジネスや街づくりにITシステムを役立てていくことが早期の復興につながると話した。

 岩波副社長は、大震災の経験を踏まえ、災害対策を施したデータセンター(DC)を活用するクラウドコンピューティングによって情報システムを保全、また、蓄電池を中心としたエネルギーマネジメントシステム(EMC)技術の確立、ITS(高度道路交通システム)の整備、医療ネットワークの再構築を行うことで、「災害時に役立つ情報システム、街づくりが可能になる」と話した。

 とりわけDCは、クラウドコンピューティングの中核になる。NECは世界五大陸にクラウド指向DC(CODC)の開設を進めており、例えばクライアント端末をVM(仮想マシン)化し、ユーザーの最も近いDCにVMを移動させることで、VMのレスポンスを向上させる施策を打つ。「一例だが、日本のDCにVMを置いて欧米から利用するより、欧米の利用者のできるだけ近くにVMを置くことで、応答速度が20~30倍速くなる」という。

 岩波副社長は、こうした取り組みを加速させることで、「迅速なディザスタ・リカバリ(災害復旧)や環境負荷の小さいビジネスや生活環境――つまり、ITを駆使して人と地球にやさしい情報社会を実現する」と、特別講演を締めくくった。(安藤章司)

講演するNECの岩波利光副社長兼CMO