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Skeed ファイル転送速度30倍! 独自プロトコルで勝負をかける

2011/10/27 22:36

週刊BCN 2011年10月24日vol.1404掲載

 ソフト開発のSkeed(明石昌也社長)は、独自に開発したファイル転送システムの企業向け販売を本格化する。同社はファイル転送に最適化したプロトコル「Skeed Silver Bullet Protocol(SSBP)」を独自に開発。従来のFTP(File Transfer Protocol)に比べて、転送速度を最大でおよそ30倍に速めた。SSBPには暗号化技術も実装し、企業で一般的に使われている暗号化されたネットワーク「VPN」網と組み合わせることでセキュリティを二重化することができる。

 Skeedはオンデマンド方式によるデータ配信などのシステムを開発する企業だが、今年に入ってSSBPを活用した企業向けファイル転送システムのプロトタイプの完成にこぎ着けた。技術検証を経て、10月下旬から、主に販売パートナーを経由して企業向けの販売に本腰を入れていく。製品名は「SkeedSilverBullet」。

 想定している主な用途は、事業継続計画(BCP)や災害復旧(DR)における遠隔地へのバックアップ、クラウド環境におけるデータセンター(DC)間のファイル転送、企業間の電子データ交換(EDI)領域など。従来は、HTTPやFTPといった汎用的なプロトコルを使うことが多かったが、「データ量の増大とグローバル化の進展によって効率が極端に落ちる傾向にある」(明石昌也社長)という状況をみて、独自の製品化に踏み出した。

 例えば、クラウドは世界中でサービスを利用できる利便性がある反面、DCとの距離が遠くなる傾向にある。Skeedでは、日本から欧州にあるAmazon Web Services(AWS)のサーバーにファイル転送を行う実証実験を行ったところ、従来のFTPに比べて30倍を超える速度を記録している。

 販売に関しては、SIerをはじめ「すでに5社ほどと商談を進めている」という。販売パートナー網の整備を急ぐとともに、向こう1~2年で国内外40~50社への納入を目指す考えだ。(安藤章司)

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