Linuxサーバー向けセキュリティ製品を得意とするギデオン(西尾高幸代表取締役)は、今年、運用からセキュリティ管理までを一括で提供するプライベートクラウド構築支援サービス「ギデオン セキュアクラウドサービス」や、ウェブサイトの改ざんを監視し、リアルタイムに検知する「ギデオン リアルタイム スキャン」などのソリューションの提供を開始した。西尾代表取締役と沖田昌弘テクニカルセールスマネージャーに、ソリューション開発の経緯や今後の展開を聞いた。

西尾高幸代表取締役

 ――事業内容について教えてほしい。

 沖田
 1990年に創業し、DBの委託開発やアンチウイルス、アンチスパム、アプライアンス、メールアーカイブなど、Linuxサーバー向けのセキュリティ製品を提供している。1999年に初めてLinuxサーバ向けメールセキュリティソフトウェア製品を発売し、セキュリティ製品を自社開発している。すべての製品にアンチウイルス機能がついている。これまで、ISPや官公庁、一般企業など約3000社・団体が当社の製品を利用している。

 ――強みは何か。

 沖田
 セキュリティメーカーは外資系が多いが、サポートでうまく日本語の話せないスタッフが対応するケースもある。当社は国産なので、すぐに製品を販売し、オリジナルの機能もつけることができる。例えば、当社のスパム対策製品でメールサーバー「Postfix」の迷惑メール対策のブラックリストを使えるようにしたことがある。

 ――先日の「ITproEXPO」では、「セキュアクラウドサービス」「リアルタイム スキャン」を展示していたが、来場者の反応は。

 沖田
 具体的な案件で悩んでいた顧客の実働部隊が来場し、「セキュアクラウドサービス」は非常に反応がよかった。また、改ざん防止製品「リアルタイム スキャン」は、改ざん検知だけでなく、修復も自動的に行ってくれる。こういう製品はほかにはない。Linuxカーネルに依存せずに利用でき、簡単に、安く利用できるのが強みだ。ウェブの改ざんによる情報漏えい事故が増えている今、高い注目を浴びている。

 ――「セキュアクラウドサービス」の開発意図は。

 西尾
 震災を契機に、自社システムをすべてクラウドに移行した。何があっても自社サービスを継続できるようにしたかった。よく、クラウドへの移行でセキュリティが不安視されるが、当社はセキュリティメーカーなので自社で対応できる。実際に移行して、自社のサービスとしても提供できると判断し、プライベートクラウドへの移行支援サービスをメニュー化した。サーバーのセキュリティ管理を当社が担い、どこからでもクラウドにアクセスし、業務を遂行できる。セキュリティが盤石で、システムのメンテナンスがフリー、さらに安価なのが強みだ。だが、単に決まったサービスを提供しているのでは意味がないので、カスタマイズも含めて、使いやすい環境を構築するのが最大のポイントだ。

 ――ニーズはどの程度あると考えているか。

 西尾
 ユーザー企業では、トップダウンで現場に震災対策の指示が来ていて、クラウドへの移行は不可欠となっている。ある大手企業ではグループ会社も含めてすべてのシステムをクラウドに移行し、横連携する仕組みを模索している。このように、すべてを移行してしまおうと考える顧客は多くなっている。もしまた地震があったとき、オペレーションができない、部材が調達できないとなると、お手上げ状態だ。データさえ保全しておけば、少なくとも事業の継続は可能になる。

 ――「セキュアクラウドサービス」の目標は。

 西尾
 規模の大小によって変わってくるが、年間1000万円~5000万円の売り上げを目標としている。

 ――一方の「リアルタイム スキャン」の開発理由は。

 西尾
 クラウドに移行するとシステムが特定の場所に集約されるので、攻撃を受けやすい状況になる。しかし、これを人的に監視するには限界がある。「リアルタイム スキャン」は改ざんを検知しながら、24時間365日自動修復に対応する。すでに大企業や官公庁から引き合いが来ている状況だ。

 ――今後の製品開発の方向性が知りたい。

 西尾
 インターネットの有害な環境をクリーンにするアプライアンスの発展形をつくっていきたい。当社はインターネットが普及し始めた頃から、マルウェアの拡散を予見して製品をつくってきた。常に「必要」とされる製品開発を心がけてきたので、次の製品もきっと好評だと思う。

 沖田 当社は国内で一番古くからLinux向けのパッケージをつくり、Linuxに精通している。こんな製品があればいい、というアイデアは常に受け付けている。(鍋島蓉子)