ノークリサーチ(伊嶋謙ニ代表)は、2011年度上期の国内PCサーバーの出荷状況を発表した。11年度通期の予測をあわせて調査・報告している。

 11年度上期のPCサーバー市場は、26万7852台と前年比6.7%アップの成長となった。金額ベースでは前年比7.1%アップの1466億円。東日本大震災によるサーバー需要への影響は軽微で、仮想化の進展によってサーバーの統合・集約による新規サーバー導入が進んだ。さらに、好調なウェブサービス業界へのサーバー需要が変わらず好調だったことも後押ししている。ただし、部分的に震災当時の3月の需要が4月以降にシフトしたのも加わっている。全体としては、震災を契機としたシステム増強やバックアップ対応などで6.7%の伸びとなった。

 業種別では、官公庁、金融や医療、流通・サービス業での民需が比較的好調だった。製造業は、大企業を中心に、まだ本格的な回復とはいえない状況が続いている。形状別ではタワー型が10万419台と対前年比119.5%で、2ケタの成長となった。構成比でも全体の37.5%を占める。タワー型は、細かな部門や店舗単位でのリプレースやバックアップ用途など、間接販売で幅広く販売された。小型、低価格化製品を上位ベンダーが揃えてきたことも要因だ。ラック型は13万3台で、対前年比97.2%と前年を下回り、構成比でも48.5%と半数を割った。ブレード型は3万7430台で、112.8%。全サーバー市場の14.0%を占めており、伸びは緩やかだが上昇傾向が続いている

 メーカー別では、NECが前年比103.7%とわずかながら前年を上回り、台数ベースでのシェア24.8%と1位を保った。上期はキャリア系とデータセンター系に直販で千数百台規模の大口案件があったが、製造業はまだ需要が戻り切っていないことや、震災後ということもあって官庁系に目立った大口案件はなかった。しかし、ネット系企業など、好調な業界での実績とチャネル販売力と既存ユーザーの存在が、NECの上期実績を底支えしている。

 2番手の日本ヒューレット・パッカード(HP)は、前年比116.6%で前年を大きく上回る実績を示した。NECと富士通の国産勢に挟まれながらも、23.5%とシェアを再び高めている。上期前半は、豊富な製品供給力と販売チャネルの後押しもあって好調だった。2Pラックで相変わらず強さが目立ったことと、1Pタワーの実績が目立った。3番手は富士通で、前年比111.4%の高い伸びを示した。シェア21.1%で、2位の日本HPとの差はわずか約2ポイント。全社一丸となったPCサーバーの販売体制、支援策の強化と製品の品揃え強化、低価格化などが奏功した。同時に、全国の比較的小規模な販売チャネルで、タワーサーバーが好調だった。

 PCサーバー市場の今年度の見通しのポイントは、ネット系企業の安定的な需要拡大のためのサーバー導入、クラウドサービスの加速化によるインフラ整備・増強の需要、企業の既存サーバーの見直しによる買替え需要――の三つ。また、下期に発生したタイの洪水によるHDD工場被害は、サーバーの部材調達に影響が出る可能性がある。今後のサーバー需要にどのような影響を及ぼすのかは不透明な状況だ。その状況を踏まえても、11年度は54万台市場まで戻すことが見込まれる。