ITホールディングスグループのTIS中国法人でデータセンター(DC)事業を手がける天津TIS海泰信息系統(天津TIS海泰、丸井崇総経理)は、今年4月をめどにエンタープライズ(企業)向けクラウドサービスを拡充する。TISの主力クラウドサービス「TIS Enterprise Ondemand Service(T.E.O.S.)」の管理用ポータル機能を、天津TIS海泰が中国で展開しているクラウドサービス「翔雲」へ移植することで使い勝手を改善し、「翔雲2.0(仮称)」として拡販に力を入れる。

天津TIS海泰
丸井崇総経理
 天津TIS海泰は、スパコン開発に強い地場有力ベンダーの曙光信息産業と提携してエンタープライズ向けクラウドサービス「翔雲(シャンユン)」を昨年春から手がけてきた。一方、国内ではTISが「T.E.O.S.」の名称で、国内の複数の主力DCを有機的に連携したクラウドサービスを展開しており、同じTISグループとして「翔雲」と「T.E.O.S.」を、どう連携していくかが課題だった。そこで今年4月をめどに、まずは「T.E.O.S.」の管理用ポータル機能を「翔雲」へ移植し、「ユーザー自らが、簡単な操作でITリソースを増減することができる」(天津TIS海泰の丸井崇総経理)よう、使い勝手を大幅に向上させる。

 中国では世界で有力なクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)やGoogleのシェアは低いものの、独自のクラウドサービスやネットサービスが隆盛を極めている。丸井総経理は、競争力を発揮していくためにはTISが強みとする「エンタープライズ分野で、高信頼、高品質の使い勝手のいいサービスをより強めていくことが必要」と判断。企業向けで受注を伸ばす「T.E.O.S.」のテクノロジーを積極的に採り入れていることで「翔雲2.0(仮称)」へとバージョンアップして、存在感を強めていく。

 TISは、エンタープライズ向け情報サービスのうち、とりわけ金融分野に強みをもつ。天津TIS海泰が運営する約1200ラックの大型DCにおいても、中国地場系を中心とした金融・保険分野でのアウトソーシング案件をすでに多数受注済みだ。「今後は中国で需要が急拡大しているクラウドやネットサービス系の受注を増やす」と、中国市場の特性を捉えることで2015年度をめどに全ラックを完売する目標を掲げている。(安藤章司)