アンチウイルスソフトを開発するESET(スロバキア本社)は、日本を中心とするアジア市場の開拓に力を注いでいる。日本では、キヤノングループの有力SIerであるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、浅田和則社長)を販売代理店として、中堅・中小企業(SMB)や文教市場で実績を上げている。

 ESETは1992年、中央ヨーロッパのスロバキアで設立。もともとコンシューマ向けのアンチウイルスソフトを主な商材としていたが、ここ数年、セキュリティ市場を取り巻く環境の変化に対応し、法人向けビジネスの展開を拡大している。

 同社は2年ほど前に、成長戦略の一環として、アジア太平洋地域の市場開拓を方針として掲げ、シンガポールにESETアジアの拠点を開設した。日本では、2003年からキヤノンITSを、ESET製品の販売やサポートを手がけるパートナーとしている。ESETアジアのエヴァ・マルコヴァCOOは、「キヤノンITSとの連携を強めることによって、2009年からの2年間に、日本での売り上げを42%伸ばすことができた」と、自信を示す。

 調査会社のミック経済研究所によると、ESETは現在、国内のアンチウイルス市場で約10%のシェアを維持しているという。同社は、従業員数50~100人のSMBを主要ターゲットとしているが、SMBに加えて、東京大学や鹿児島大学にセキュリティソフトを納入するなど、文教市場で存在感を高めている。マルコヴァCOOは、「日本でのビジネスの拡大に向けて、今後、ターゲット市場を広げ、100人以上の企業の開拓に注力して、シェアを伸ばしたい」と展望を語る。

 ESETは日本以外にも、中国や台湾などアジア各国で事業拡大を加速化している。マルコヴァCOOは、「アジア各国でビジネスが活発化し始めており、市場開拓が順調に進んでいる」との見解を示す。(ゼンフ ミシャ)