昨年4月にガートナーが発表した調査結果によると、アジアのベンダーとして唯一、世界のUTM(統合脅威管理)市場の2011年売り上げトップ10に食い込んだ韓国サムスングループのセキュアイ(裴昊敬社長)。日本ではトライポッドワークス(佐々木賢一社長)が2010年2月から総販売代理店になっており、SMB市場で約6000社の実績がある。今年2月には最新のUTMソリューション「SECUI MF2」を日本でも販売して、シェア拡大を図る。

セキュアイ
裴昊敬社長
 セキュアイはこれまで、オーソドックスなUTMアプライアンス製品「SECUI NXG」を中心とするソリューションを日本市場で販売してきた。今回新たに投入する「SECUI MF2」は、大規模顧客をターゲットにしたハイエンドモデルだ。「NXG」の技術をベースにして、Anti-DDoSエンジンやウェブアプリケーションのコントロール機能を搭載しており、大規模ユーザー向けに可用性を強化し、処理能力も向上している。

 同社の全売上高950億ウォン(約80億円、2012年実績)のうち、約6%を占める日本市場は、セキュアイのグローバル戦略のなかでも特殊な位置づけだ。総販売代理店のトライポッドワークスが、ソフトウェアベンダーとして技術力を発揮し、日本市場向けのカスタマイズや、サポートを含むワンストップサービスの提供を行っている。こうしたケースは日本だけのものだ。

トライポッドワークス
佐々木賢一社長
 「MF2」も、トライポッドワークスが日本市場向けにカスタマイズを進めてきた。具体的には、「ウェブフィルターを日本国内のデファクトスタンダード製品に入れ替えたほか、バーチャルアプライアンスのニーズに応えるために『MF2』のバーチャルエディションも準備し、競合ベンダーとの差異化を図った」(佐々木社長)という。

 とくにバーチャルアプライアンスのニーズは、データセンターの急増などにより、世界的にみても日本が先行している。セキュアイの製品ロードマップに先駆けてトライポッドワークスが製品を開発し、セキュアイ側にフィードバックしたかたちだ。

 新たにソフトバンクBBと「MF2」の販売パートナー契約を結び、拡販体制も整えた。2012年に約5億円だった日本市場での売り上げを、今後3年間で50億~60億円、シェア10%程度まで伸ばしたいと意気込む。セキュアイの裴社長は「トライポッドワークスとのこれまでの協業に手応えを感じている。日本市場は将来的にも重要。さらに密接に連携していきたい」と展望を語る。(本多和幸)