有力SIerのインフォコム(竹原教博社長)の帳票ネット配信サービス「eco Deliver Express(エコ デリバー エクスプレス)」への引き合いが堅調に推移している。2012年11月にサービスを始めておよそ半年で大手ユーザー企業を中心に10社余りから引き合いを得ており、「ほぼ予想通りに推移している」(瀬川明彦・帳票ビジネスユニットマネージャー)と、手応えを感じている。今後は使い勝手を一段と改善していくことで、ユーザー数の拡大を目指す。

 帳票ネット配信サービスは、携帯電話料金の請求書や給与明細など、個人向けの分野で広く浸透しているが、企業間取引(B2B)の分野では「いまだに紙による郵送が多い」(瀬川マネージャー)という。

 そこでインフォコムでは、2012年11月に帳票ネット配信サービス「eco Deliver Express」を立ち上げて、まずはインフォコムの帳票関連システムを利用している既存顧客に向けて提案した。この結果、流通・小売業や製造業などから10社余りの確度の高い引き合いを得ることができた。ネット配信の検討対象となる帳票類も請求や支払い、納品などの明細書や通知書など多様だ。高山章源・営業第二グループ上級主任は「2013年度中にはファーストユーザーを獲得できる見通し」と話す。

 インフォコムの帳票ネット配信サービスは、毎月500通以上郵送しているユーザー企業ならば費用対効果が出る価格設定で、5000通程度ならば従来の郵送に比べてコストがおよそ半額になるという。多くの企業において帳票はパソコンで作成し、受け取る側も長期保存のためにスキャナなどで読み取って電子的に保存している。今後、この傾向は一段と顕著になるのは間違いなく、「ネット配信サービスの活用は、帳票の送り手、受け手ともにコストメリットしかない」(瀬川マネージャー)と、売り込みに力を入れる。

 帳票仕分けの「OpenBOST」や電子帳票「NEOSS」などの開発も手がけているインフォコムでは、「eco Deliver Express」と連動させて帳票まわりのペーパーレス化を推進。帳票を印刷し、封筒に詰めて、先方に郵送し、受け手は開封して、再びスキャナで読み取って電子的に保存するという従来のプロセスをなくすメリットを訴求していくことで、帳票関連ビジネスの活性化にもつなげていきたいとしている。

 帳票ネット配信サービスは、シェアの高さも重要な要素となる。「eco Deliver Express」は、同一画面でA社、B社、C社など複数の企業から送られた帳票を一覧できるようにデザインされており、受け手側のユーザーから見た場合、「eco Deliver Express」に一本化したほうが閲覧性がいい状態ができあがる。仮に、この受け手側のユーザーが、立場的に強いサプライチェーンのトップ層の企業である場合、調達先の企業は受け手側に合わせて「eco Deliver Express」を採用する流れを形成することも可能だ。

 インフォコムは、導入のハードルを下げるために、今年9月までをめどにPDF作成部分をクラウド側で代行するサービスを始める予定だ。帳票仕分けの「OpenBOST」や電子帳票「NEOSS」のユーザーであれば、システムに実装されているPDF作成機能を使えば用は足りるが、他社ユーザーのシステムにはPDF作成機能がないものもある。そこで「eco Deliver Express」側にもPDF作成機能を実装することで、「新規ユーザーの取り込みにも力を入れる」(高山上級主任)と、「eco Deliver Express」導入のハードルを下げて、シェア拡大に努める。

 インフォコムは、帳票ネット配信サービス関連について今後5年間で累計300社のユーザーを獲得し、年間20億円のビジネスに育てていきたいと考えている。(安藤章司)

インフォコムの瀬川明彦・帳票ビジネスユニットマネージャー(右)と、高山章源・営業第二グループ上級主任