富士通(山本正已社長)は、昨年10月、製造業向けに提供しているグループ各社の製品・サービス群を「ものづくりソリューション」として体系化した。そのなかで、新たに3Dプリンタを活用した「製造支援サービス」を開始した。

 3Dプリンタは、コンピュータで設計した3次元(3D)データをもとに立体物を造形する装置で、ものづくりに革新をもたらすツールとして注目されている。富士通では、2008年から携帯電話やPC、ストレージ、サーバー、ネットワークなどの自社ハードウェアの開発に3Dプリンタを活用してきた。こうした自社で培った技術・ノウハウを生かして、3Dプリンタによる試作サービスを開始。ものづくりビジネスセンターの永嶋寿人センター長は、「コンピュータ関連製品、家電、医療機器、自動車部品など、当社が手がけている製品と同様の製品をターゲットにしている」と語る。

 3Dデータから造形物を試作するだけでなく、2D図面や手書きのポンチ絵などからの試作品の製造にも対応している。最近では、3Dプリンタによる製造受託サービスに参入する企業が出てきているが、永嶋センター長は、「3Dプリンタ本体だけあっても意味はない。それをどう活用するかが重要。その意味で、社内活用から得られた多くの技術・ノウハウの蓄積は、他のサービスビューロとの差異化点だ」とアピールする。

 富士通には、3Dプリンタ関連の専門組織がなく、今後もその設ける予定はない。あくまでも「製造受託サービス」のうちの一つのメニューとして提供し、トータルで製造業を支援する「ものづくりソリューション」の切り口で営業していく。永嶋センター長は、「受託サービス全体で、15年度(16年3月期)までに売上300億円にする」と意欲を示した。

ものづくりビジネスセンターの永嶋寿人センター長