キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループは、米3Dシステムズの3Dプリンタの国内販売を本格化する。これまでも同社の3Dプリンタを取り扱ってきたが、キヤノンMJの競争力を生かすサービス体系にはなっていなかった。しかし、「2013年は前年に比べて2倍あまりの引き合いをさまざまな業種から得た」(ドキュメントソリューション企画部ソリューション企画課の梶山良幸課長)ことから、3Dプリンタの販売体制を大幅に拡充する決断を下した。

 これまで長年にわたって取り扱ってきた3D CADソフトとキヤノンMJグループが独自に開発しているMR(複合現実)システムを組み合わせて、「入力から出力まで、トータルに商材やサービスを提案する」(ドキュメントソリューション企画本部ソリューション企画課の月岡敦史氏)ことで差異化を図る。

キヤノンMJの3D関連分野での製品ポートフォリオ

 MRシステムは、「MREAL(エムリアル)」の商品名でキヤノンMJグループが製品化しており、ヘッドマウント型ディスプレイ(HMD)を装着することで、現物があたかも目の前にあるかのような映像を映し出す仕組み。仮想(バーチャル)と現実(リアル)を複合させるシステムで、仮想部分は3D CADソフトで作成し、現実部分は3Dプリンタで出力する。例えば、「仮想と現実のそれぞれのプロトタイプを複合して、3Dプリンタで出力した部分には実際に手で触れられる」(月岡氏)ようにした。 

左から、キヤノンMJの月岡敦史氏、梶山良幸課長、松林辰祐氏

 入力から出力まで、トータルで商材やサービスを揃えることで、製造業だけでなく、建設業、教育サービス、将来は医療領域まで、「幅広い業種・業務に応用できる商材に仕立てる」(ドキュメントソリューション企画本部ソリューション企画課の松林辰祐氏)という。

 キヤノンMJは、国内3Dプリンタ市場を、装置本体と材料、保守サービスを含めて2016年には340億円規模になると予想しており、うち同社がターゲットとする法人向け3Dプリンタ市場は260億円とみている。キヤノンMJは法人向け3Dプリンタ市場のシェア20%の獲得を目指しており、16年には関連サービスを含む売上高を100億円規模に拡大する計画を立てている。(安藤章司)