スターティア(本郷秀之社長兼CEO)は、クラウドファイルサーバーの「セキュアSAMBA」をリニューアルし、セキュリティ機能と使い勝手を向上させた。また、従来の直販に加え、全国で販売パートナー網を順次整備して、販路を拡大する方針であることも明らかにした。

 セキュアSAMBAは、2008年に同社が法人用途に特化したオンラインファイルサーバーとして提供を開始したサービス。1台のサーバーを複数のユーザーが共有する「共有型」と、ユーザーごとに専用の物理サーバーを割り当てる「専用型」の二つのサービスがあって、それぞれディスク容量によっていくつかの料金プランに分かれている。官公庁、大手企業から中小企業まで、約600社、3万ユーザーが導入している。

 今回のフルリニューアルでは、とくに「シャドーIT」対策を意識した機能強化を施した。まず、アクセス可能な端末を制限できる端末認証機能を追加して、IDやパスワードが流失した場合のリスクヘッジができるようにした。グローバルIPアドレスごとの制限やフォルダ内のファイルの閲覧権限を設定することも可能だ。加えて、これまで有料オプションだったファイルのウイルスチェックをすべてのプランに標準実装している。

 使い勝手の向上にも気を配った。App StoreとGoogle Play経由でスマートデバイスアプリを提供して、スマートデバイスから利用しやすくした。また、シャープ製複合機との連携機能を付加して、スマートデバイスから直接印刷指示を出したり、複合機でスキャンしたデータやFAXの受信データをセキュアSAMBAに直接保存したりできるようになった。

 同時に料金体系も整理し、共用型では、20GBで月額5000円(税抜)と、小容量で安価なプランを加えた。製品開発を担当した辻信政・マーケティング本部サービス企画課マネージャーは、「とくにSMBではコンシューマ向けの無料オンラインストレージを会社で使ってしまって、シャドーITになっているケースが多々見受けられる。今回の低価格プランには、それを撲滅したいという意図も込めている」と説明する。

 スターティアはこれまで、セキュアSAMBAを基本的に直販で展開してきたが、本格的に間接販売ルートの開拓にも踏み出す。「直販が非常に強い会社という印象をもたれていると思うが、カスタマベースを広げるために“脱直販”し、直販と間販の両方で普及を目指す。まずは、ウェブ会議システムなど、セキュアSAMBAをデータのバックアップ用に使えるようなサービスを提供しているベンダーとの連携を、販路開拓の足がかりにしたい」と、平澤有一・ネットワークソリューション事業部事業部長は話している。(本多和幸)

左から、辻信政・マーケティング本部サービス企画課マネージャー、平澤有一・ネットワークソリューション事業部事業部長