日立グループは、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)のシステム導入に取り組んでいる自治体に対して、支援サービスを提供する事業の拡大に動く。コンサルティングから導入・運用まで、自治体を各工程で支援することによって、日立グループとのパイプを太くして、将来の提案活動に生かすことを目指している。

 自治体は、2015年のナンバー付番、16年1月を予定する番号制度の利用開始などに向け、急ピッチでシステムの構築を進めている。日立グループは、支援サービスの需要を見込んで、13年7月にサポートのメニューを投入した。直近では、「コンサルティングの引き合いが活発になっている。これからは、製品・サービス適用やシステム導入に関しても需要が増えてくるとみている」(日立製作所の情報・通信システム社の全国公共ソリューション本部ID基盤推進センタの田中裕・主任技師)というように、旺盛なニーズに手応えを感じている。

情報提供に力を注ぐ

 自治体に強く、現場での中心的な役割を担うのが、日立システムズだ。同社公共事業企画本部事業企画部の山本真一郎部長は、「既存の自治体のお客様の課題にしっかり対応したい。自治体のシステム担当チームが困らない仕組みを提供し、ユーザーとしてきちんと守りたい」と語る。マイナンバー関連の支援サービスをツールに、自治体との関係を密にすることで、次の提案をしやすいよう、環境を整えようとしている。

 自治体との関係を強化するために力を注いでいるのは、情報の提供だ。「自治体が知りたがっている情報を国から集めて、当社のホームページで開示したり、直接お客様のエンジニアに伝えたりする活動を加速している」(日立コンサルティングの山口信弥・シニアマネージャー)という。

 国の大型プロジェクトということもあって、ベンダーとして「利益」の追求を明言しにくいマイナンバー制度。日立グループは、この制度の導入をきっかけに、自治体を手厚く支援し、その延長線で「ビジネス」の創出に取り組んでいく戦略を取っている。「番号の民間活用が決まれば、あらゆるサービスを提供したい」(山本部長)と期待を込めている。(ゼンフ ミシャ)

(左から)日立製作所 田中裕 主任技師、日立システムズ 山本真一郎 部長、日立コンサルティング 山口信弥 シニアマネージャー