NTTコミュニケーションズ(NTT Com、有馬彰社長)はミャンマーでの本格事業展開に向けた土台づくりを進めている。現地に進出している日系銀行などに国際回線を提供するほか、オフィス向けICT(情報通信技術)インフラの提案に力を入れる。「お客様が自ら当社に来訪して、積極的に提案を求めてこられる。ミャンマー以外では経験したことがない」(現地担当)と語るように、ニーズに確実な手応えを感じている。(ゼンフ ミシャ)

宮崎一
カントリーマネージャー
 ミャンマーの旧首都、ヤンゴンの中心地にそびえる「Sakura Tower」。日本の老舗ゼネコン、日本設計と鴻池組が建設を手がけて、1999年に完成した有数の高層ビルだ。2011年に新政府が発足し、民主化が始まったことをきっかけとして、ミャンマーの経済が刺激を受け、ヤンゴンの街が活気づいてきた。NTT Comでカンボジア・ラオス・ミャンマーのカントリーマネージャーを務める宮崎一氏によると、「現在、およそ30社の日系・欧米系企業が『Sakura Tower』に入居している」という。世界の企業がミャンマーの将来性に着目し、現地拠点を開設して求めているのは、インターネット接続など、オフィスのICTインフラ整備だ。

 NTT Comは2012年10月、ヤンゴンに拠点を開設。13年には、住友商事とNECとともにコンソーシアムを立ち上げ、ミャンマー政府に対して通信インフラを構築する取り組みを開始した。現在は、外資系を中心とする民間企業もICTインフラ整備に関する需要が旺盛と捉え、オフィス向けICTの提案に力を入れている。「とくにインターネットサービスの引き合いが活発で、当社としてお手伝いすることがたくさんあると実感している」(宮崎カントリーマネージャー)とし、「伸びしろがある」とみるミャンマー市場への期待感を高めている。

 しかし、ASEANのなかでもGDPが低く、長年にわたる鎖国のせいで発展が遅れているミャンマーにおける事業展開はハードルが高い。現地で活躍しているビジネスパーソンをとくに悩ませているのは、電力供給が不安定で、停電がひんぱんに発生すること。NTT Comは、自社オフィスで発電機を動かすなどして対策を講じているが、本格的なビジネス拡大には、電力などの物理インフラの整備が不可欠だ。そんな情勢下で、NTT Comは手探りながら事業化を進め、先駆ベンダーとして、ミャンマー市場に入り込もうとしている。