日立システムズ(高橋直也社長)は、ASEANでインフラ構築などのITサービスを提供するための事業体制を強化している。この11月、ネットワークやセキュリティに強いI-Net Solutions(シンガポール本社)の買収を決定し、マネージドサービスの商材を拡充する。同社は、日本IBMがASEANに進出している日系企業へのサポートを強化している状況下、マネージドサービスを武器に日系企業向け案件の獲得に取り組む。(ゼンフ ミシャ)

齋藤眞人
執行役員
 日本IBMはこの7月、シンガポールとバンコクにサポート拠点を設け、外資系ベンダーでありながら、日本法人として日系企業を現地で支援している。この取り組みはユニークで、これまで、日系企業とのパイプの太さを強みにしてきた国産ベンダーに新たな動きを促しそうだ。そんな情勢下にあって、日立システムズは、運用・保守やセキュリティを含め、システムをASEANでも日本と同じように使うことができるマネージドサービスを強化し、日系企業向けの提案活動に力を注いでいく。

 買収を決定して、年内にグループ会社化するI-Net Solutionsは、およそ110人の従業員を抱えて、マレーシアを中心に、地場の企業にITサービスを提供している。日立システムズは、こうした顧客基盤を生かしつつ、I-Net Solutionsの技術を活用し、日系企業へのサポートを手厚くして、案件の獲得につなげる構想だ。

 日立システムズは、2013年、マレーシアのIT企業との合弁会社であるHitachi Sunway Information Systemsを立ち上げ、同社を通じて、ASEANでのビジネスの体制づくりを進めている(左下図参照)。15年度(16年3月期)の海外売上比率に10%(500億円相当)の目標を掲げており、「そのうち、20~30%をASEANで稼ぎたい」(グローバル事業開発本部の本部長を務める齋藤眞人・執行役員)という。齋藤執行役員は、「当面は、マレーシア、シンガポール、タイを事業展開の主な地域と捉え、今後は、成長が著しいインドネシアやベトナムに広げる」と語る。日系企業に加え、地場企業をターゲットに据え、「日本で提供しているサービスの機能を絞るなどし、価格面を含めて、提案を現地のニーズに合わせる」ことによって、市場開拓に動く。