ネットワンシステムズ(吉野孝行社長)は、12月22日、宮城県北地域の基幹病院である大崎市民病院本院(大崎市民病院)の医療情報システムを稼働させる共通仮想化基盤を構築したと発表した。この基盤は、大崎市民病院が新築・移転した7月から稼働している。

 これによって大崎市民病院は、電子カルテシステム(HIS)・医療用画像管理システム(PACS)・放射線部門システム(RIS)・検体検査部門システム・薬剤部門システムなどの、医療情報システムごとに異なっていたサーバー・ストレージ・ネットワークを統合・集約し、全体最適化した医療ICT環境を実現。設備投資コストと運用管理負荷を大幅に削減することで、医療ICT関連費用の削減に成功した。新築・移転に伴って、更新予定としていた40台以上の既存物理サーバー(電子カルテシステムサーバー群と13種類の部門システムサーバー群)を約9割削減し、5台のブレードサーバーに集約した。

 さらに、新病院に仮想化基盤と各種仮想サーバーを事前に構築しておくことで、移転に伴うHIS(病院情報システム)停止時間を3時間に短縮するとともに、仮想化技術や遠隔モニタリングサービスなどを活用することで、システムの可用性を大きく向上。安全・安心の医療提供をサポートしている。

 今後、大崎市民病院は、物理サーバーで稼働している残り20種類の部門システムサーバーも仮想化するとともに、約1300台ある医療情報システム端末を仮想デスクトップ化することで、さらにコスト削減と生産性向上を推進する予定。また、三つの分院(鳴子温泉分院・岩出山分院・鹿島台分院)の医療情報システムについても仮想化を検討している。

 共通仮想化基盤の構築にあたって、ネットワンシステムズは、EMCの「VSPEX」をベースにした事前検証済みの仮想化基盤パッケージを提案した。これはネットワンシステムズが豊富な導入実績とノウハウをもつVMware・Cisco・EMCの製品を組み合わせたパッケージで、各社の管理ソフトウェアを連携することで仮想化基盤全体を一元管理する環境を実現し、運用管理負荷を大きく低減した。

 障害発生時には、物理環境と仮想環境の連携によって迅速にサービスが自動復旧する仕組みを整えるとともに、ネットワンシステムズの遠隔モニタリングサービスと運用支援サービスによって、安定して稼働する環境を実現した。また、ハードウェアメンテナンスの際にもシステム停止が不要で、24時間・365日、高品質の医療サービスを継続することができる。バックアップに重複データを排除する仕組みを導入することで、作業負荷を軽減しながら可用性を高めた。

 提案に際して、ネットワンシステムズがVMwareの最上位のパートナー資格を所有していることも、仮想化基盤の技術と信頼性の面で高く評価された。また、各医療情報システムの共通仮想化基盤への移行プロジェクトマネジメントを担当したことも、高く評価された。