台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)大手、新金宝グループ(沈軾栄CEO)は、3月5日、傘下企業のキンポ・エレクトロニクス・フィリピン向けに、バタンガス州・リマ工業団地に電卓生産工場を建設し、2015年第2四半期に本格稼動を開始すると発表した。新工場では、約8000人を雇用し、日本や米国の電卓ブランド向けに、一般向け電卓やグラフ電卓、金融電卓、関数電卓などの高機能電卓を生産する。将来的には、LED照明や電子ピアノも生産する予定。

 新金宝グループは、中国やタイなどのアジア地域を中心に、全世界で18の工場を保有し、約4万5000人の従業員を抱える台湾の大手EMS事業者。2014年の売上高は約75億米ドル。これまでは、主に中国での製造を展開していたが、人件費の高騰や人員不足などの課題を解消し、より低価格・高品質の製品を顧客に納品することを目的に、近年は、東南アジア地域での製造に力を注いでいる。

 フィリピンでは、12年にカルコンプ・テクノロジー・フィリピンを設立。同社の業績が好調に推移していることから、14年2月にはキンポ・エレクトロニクス・フィリピンを設立し、今回の新工場の建設に至った。新工場の敷地面積は約14万m2で、延床面積は電卓生産工場としては世界最大規模の8.2万m2を計画。工場内には、高効率の生産体制を確立するため、COB自動実装ラインやPCBA(プリント板ユニット)自動試験装置、SMT(表面実装)基盤外観検査装置、自動旋盤などの最新設備を取り入れ、計45本の組み立てラインと、27本のSMTラインを配備する。なお、工場の敷地内にはR&Dセンターを併設し、自社ブランド製品やソフトウェア開発も行う予定。