【北京発】NECフィールディングの中国現地法人であるNEC飛鼎克信息技術服務(北京/季思東総経理)のリテール業向けビジネスが好調だ。2014年度(14年12月期)は、過去最高となる売上高約6000万元を記録し、営業利益の黒字化を達成。売上高の約7割をリテール業から稼ぎ出している。

季思東総経理

 NEC飛鼎克信息技術服務(北京)は、2005年3月に設立し、現在の従業員数は約150人。NEC製のサーバーやストレージ、POSなどのハード製品だけでなく、他企業が構築したシステム環境を含めて、マルチベンダー対応の保守サポートビジネスを展開してきた。中国国内の10か所に拠点を保有し、パートナー企業を含めると、中国全土の保守サポートに対応できる体制を構築している。しかし近年は、ハード製品の価格が落ち込んでいることなどから、保守サポートの単価も下落傾向にある。そこで、3年ほど前から、中国のリテール業に向けた営業・開発部隊を組織して、新規ビジネスに力を注いできた。

 具体的には、リテール業が新規店舗を設ける際の企画や敷地調査、店舗を建設する際のIT環境の構築や什器の調達、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールなどを活用した経営分析、ヘルプデスクなどの運用支援といった、トータル支援サービスを提供。季総経理は、「POSの保守サポートなどで、リテール業向けビジネスの知見を積み重ねてきたことに加えて、中国の不動産バブルによって、ショッピングモールが急増していること、さらに各モールが差異化を図るためにIT活用のニーズが高まることなどを理由に、リテール業向けビジネスに舵を切った」と説明する。

 とくに案件獲得の切り口となっているのが、店舗に設置したカメラを利用した来店顧客の行動分析ソリューションだ。NEC飛鼎克信息技術服務(北京)がパートナー企業と連携して中国で共同開発したもので、来店顧客の人数を正確に把握する人数統計システム、男女・年齢層などの属性分析システム、どの商品に顧客が関心を示したのかを特定する商品注目度分析システムの3つで構成。個人情報保護の観点から、個人の識別は不可能な仕組みとなっている。

 季総経理は、「高精度な技術力が高く評価されており、万達広場などの大手ショッピングモールが導入している。顧客の9割方は中国のローカル企業だ。日系企業だからといって、販売しづらさは全く感じていない」と説明。ソリューションの販売後は、その他の支援サービスや保守サポートの契約に結びつけることで、受注金額を拡大する戦略をとっている。

 2015年は、引き続きリテール業向けビジネスに注力。来店顧客の行動分析ソリューションに、NECの顔認証エンジン「NeoFace」を組み込んで機能を向上させるほか、クラウド型POSシステムや、リテール業向けメッセンジャーアプリ「微鏈」など、自社開発の商材の販売を精力的に進めていく方針だ。(上海支局 真鍋武)