TIS(桑野徹会長兼社長)は、新事業の創出を加速させている。強みとするクレジットカード領域での付加価値サービスを一段と発展させるとともに、制度改正が急ピッチで進むエネルギー分野での品揃え拡充に取り組む。前者は2020年の東京五輪に向けて訪日外国人の増加が期待できるし、後者は電力・ガスの規制緩和によってITシステムの需要拡大が見込めるなど、将来に向けていち早く社内での専門組織や商材の拡充を進めることで、ライバルに差をつけようとしている。

TIS
寺本英生
統括部長
 クレジットカード領域では、小売店が発行するクーポン券を、クレジットカードと紐付けるサービスを国内で先駆けて投入。米国のカードスプリング(CardSpring)と業務提携して始めたものだが、その後、Twitterがカードスプリングを買収し、米本国では「Twitter Offer(ツイッター・オファー)」という名称でクレジットカードと連携したデジタルクーポンサービスを始めている。TISはクレジットカードの基幹業務システム構築での実績が豊富であることから、クレジットカードの付加価値サービスの独自サービスとして「Goodeal!(グッディール)」の名称で事業化を推進している。

 Goodeal!については、今年6月をめどにスマートフォン用のアプリを開発し、小売店向けの販売を本格化していく。例えば、アプリを使っているユーザー(消費者)に、小売店がピンポイントでクーポンを発券し、クーポンと紐付けられたクレジットカードを使うことで割引や特典が受けられる仕組みだ。「百貨店などカードでの購入割合が多い店舗や、同じくカードの利用頻度が高い訪日外国人向けに効果が期待できる」(この事業を担当するTISの寺本英生・アドバンストソリューション事業統括部長)と話す。

TIS
石本和寿
部長
 エネルギー分野では、2016年4月に電力小売りが自由化されることを見越して、「特定規模電気事業者」など新電力向け基幹システム「エネLink(エネリンク)」を製品化するとともに、この4月1日付で、エネルギー向け事業を推進する専任組織「エネルギーセクタービジネス事業部」を新設する。同事業部の副事業部長に就任する予定の石本和寿・東日本産業システム第5部長は「新電力の新規プレーヤーが続々と参入する」と見込んでおり、かつての通信自由化の“新電電”の誕生と同様、市場が一気に活性化すると話す。(安藤章司)