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<インタビュー>米セールスフォース・ドットコム アンドレス・セラボス米州統括バイスプレジデント 拡大するAppExchangeのエコシステム

2015/04/09 18:59

週刊BCN 2015年04月06日vol.1574掲載

 クラウドマーケットプレース(CMP)の先駆的存在であるセールスフォース・ドットコムの「AppExchange」は、日本市場においても、近年、倍々ゲームで売り上げを伸ばしている。3月3日、都内で開かれた「AppExchange EXPO 東京 2015」に合わせ、基調講演のスピーカーとして来日した米セールスフォース・ドットコムのアンドレス・セラボス・米州統括バイスプレジデントに、グローバルでのAppExchangeの最新状況を聞いた。

──AppExchangeのエコシステムの状況は?

セラボス 約2600のアプリケーションが集まり、ダウンロードの数は300万を超えている。また、AppExchange上でソリューションを販売するプロバイダの売上規模は累計で10億ドル規模になっている。これらの数字は、セールスフォースがエンタープライズアプリケーション・マーケットプレースの世界ではナンバーワンの地位を確保していることを物語っている。

 毎年、新規にエコシステムに参加してくれるパートナーの数も、彼らの初回の売り上げも伸びているし、既存のパートナーからも新しいソリューションがどんどんAppExchange上に追加されている。新規パートナー、既存パートナーを問わず、エコシステムは拡大している。

──AppExchangeのアプリは、CRMの「Salesforce」をはじめとするセールスフォース製品のアドオンや連携アプリ以外も伸びているのか?

セラボス セールスフォースの顧客向けアプリももちろん多々あるが、セールスフォースのソリューションを必要としないアプリの数も増えていて、健全な割合になっていると考えている。

 セールスフォース製品と連携するか否かにかかわらず、App Exchangeを活用するソリューションプロバイダにとっては、クラウドに精通している顧客層にアクセスできるというのが、われわれのプラットフォームを選ぶインセンティブの一つになっている。

 また、PaaSとして提供しているわれわれの開発プラットフォーム「Salesforce1」を、クラウドソリューションを提供するための堅牢なプラットフォームとして純粋に高く評価して、AppExchangeのエコシステムに参加するパートナーも増えている。

──AppExchangeを活用する新規パートナーのリクルーティングなどは、どのような戦略で進めているのか?

セラボス 営業や市場開拓のチームと協業して、常にいろいろな業界を見渡し、どこにホワイトスペースがあるのかを模索しながらパートナーを探している。とくにヘルスケア、金融などの分野でパートナーのソリューションが成長していて、Salesforce1のプラットフォーム上でヘルスケア向けソリューションを開発しているVeeva Systemsなどは、アジアでもどんどん実績を拡大しているので、日本のユーザーやパートナーにも注目してほしい。

 既存のソフトウェアベンダーで、市場である程度の存在感があり、われわれが提供しているソリューションと補完関係になるソリューションをもっている企業は、有力なパートナーになり得る。例えば人事管理、財務管理などは代表的な例といえるだろう。

 それだけでなく、セールスフォースのなかにはスタートアップ企業を支援する部門があり、彼らのビジネスのアイデアがすばらしければ、構想段階でもパートナーシップを結ぶことがある。(本多和幸)
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外部リンク

セールスフォース・ドットコム=http://www.salesforce.com/jp/