中国全国人民代表大会(全人代)は、中国のインターネット安全保障を目的とした「サイバーセキュリティ法」の草案を公表した。これによると、中国政府によるインターネット統制が強化される可能性がある。

 草案では、情報インフラのプロバイダやキャリアに対して、中国で蓄積した個人情報などの重要データを国内に留め、海外にデータを送信したり、海外の組織・個人に提供したりする場合には、国家網信部門と国務院の関連部門が定めた審査を受けることなどを要求している。

 違反した場合は、警告を与えられるとともに改正を求められ、場合によっては違法所得の没収や、5万~50万の罰金徴収、関連ビジネスの停止、ホームページの閉鎖、営業ライセンスの没収といった措置を取られる。また、国家の安全や社会秩序を脅かす事故が生じた場合、各省や自治区、直轄市の人民政府は、国務院の批准を経て、部分的に通信・ネットワークに対する臨時制限を施すことができる。

 中国政府は、エドワード・スノーデン氏の「PRISM事件」以降、外資系IT企業の製品を政府購買リストから除外したり、国内銀行業のIT製品導入規制を推進したりと、IT分野に対する監視・統制を強化している。中国全人代は、7月6日に草案全文を公式ホームページ上に公表し、現在、広く社会からの意見を求めている。意見聴取は8月5日に締め切る予定。同法案が成立し施行された場合は、中国に進出している外資系IT企業も対応に迫られることになる。(上海支局 真鍋武)