ニュース
アピリオ 米クラウドインテグレータがクラウドソーシングに本腰 日本法人の新社長に渡邉崇氏が就任
2016/03/17 19:08
週刊BCN 2016年03月14日vol.1620掲載
また、アピリオでは、導入後のサポートを担当する「クラウドマネジメントセンター」を用意しており、ユーザー企業のリソース管理や環境管理、導入効果測定などのサービスを提供している。
日本では、米国の企業はCIOやシステム部がしっかりしていて、自社でシステムを導入できるので、SIerやCIerは不要という説を信じている人が多い。実際には、米国でもSIerやCIerが存在し、多くのユーザー企業のニーズに応えている。「SaaSは簡単に導入できると思われがちだが、コンサルティングや導入サービスのニーズは多い」(バービンCEO)という。
アピリオで現在注力している事業の一つが、クラウドソーシングのプラットフォーム「topcoder」である。プログラム開発やデータ分析、デザインなどを登録者に委託するというもので、クラウドサービスとは、名前が似ているものの、内容はまったく違う。
「創業時はクラウドを取り扱うことに対して“なぜ”とよく聞かれたが、今はクラウドソーシングに対して“なぜ”と言われる。しかし、クラウドソーシングは、システム開発の破壊的アプローチだという自信がある」と、バービンCEOは語る。topcoderの登録者は100万人を超えていて、日本の登録者は約7万人になるとのこと。なかには1億円を超える収入を得ている登録者もいるという。topcoderをクラウドソーシングプラットフォームのデファクトスタンダードとするべく、今後も積極的に投資をしていくとしている。
また、アピリオは日本法人の体制強化を目指し、新たな代表取締役社長に1月15日付で渡邉氏を迎えた。渡邉社長は個人的な意気込みとして、「年内に日本法人の社員数を1.5倍にし、売り上げを対前年比で20%増にする。さらに来年はそこから売上成長率を70%増にし、日本法人設立以来のレコードイヤーにする」と日本法人の目標を置いている。
クラウドインテグレーションは日本でも多くの企業が参入しているが、クラウドソーシングによるシステム開発の例は聞かない。今後の展開に注目したい。(畔上文昭)
- 1