【上海発】4月1日、上海市静安区の市北高新技術服務業園区に、上海数据交易中心(上海データ取引センター)が正式に設立された。上海市政府の承認を受けて設立した初のビッグデータ取引所となる。資本金は2億元で、筆頭株主は上海市が設立した国有法人。一部民間の資本を含む混合所有制企業として事業を展開する。(真鍋 武)

 ビッグデータ取引所では、複数の企業間で行うデータ売買の仲介を行う。上海市は、市内に登記された企業のデータベース(DB)や人口DB、地理空間DBに加え、世界最大規模の医療ネットデータ共有システムや、4800万枚の交通カードデータ、毎日30GBが蓄積される交通移動データ、証券取引データ、貨物・コンテナデータなどを有している。上海データ取引センターでは、こうした政府関連データや、企業が保有するデータの取引プラットフォームを提供していく。

 取引にあたっては、セキュリティ面を考慮し、データは個人情報などが特定されない形に加工したうえで、暗号化してやり取りする。また、上海データ取引センターは、法人向けの会員制となっており、入会にあたって、データ管理・リスクコントロールに関して厳密な審査を行う予定だ。中国の地場企業だけでなく、外資系企業も入会することができる。個人は対象外。

 中国では、国務院が昨年9月に「ビッグデータ発展促進行動要綱」を公表し、全国レベルでビッグデータ活用を進める方針を示して以降、ビッグデータ活用の機運が高まっている。中国初のビッグデータ取引所として昨年5月に営業を開始した貴陽ビッグデータ取引所(GBDEX)では、同年末までに約300社が会員登録し、取引総額は約6000万元を記録した。中国政府によると、2016年内には中国の各地方政府主導で、さらに15~20のビッグデータ取引所が設立される見込みだ。

 また、上海データ取引センターが設立された市北高新技術服務業園区は、上海市初となる「ビッグデータ産業基地」に指定された。1992年設立の同園区は、10年に上海市初の「クラウド産業基地」に指定されており、先端IT分野の企業誘致を積極的に行っている。すでに浪潮集団など、約150社のビッグデータ関連企業が進出しているという。現在も大規模な拡張を進めている同園区では、上海におけるビッグデータ産業の集積エリアとなることを目指す。

上海データ取引所が設立された市北高新技術服務業園区はクラウド産業基地に指定された