【深セン発】華為技術(ファーウェイ、徐直軍・輪番CEO兼取締役副会長)は4月11~12日、アナリスト/報道機関向けのイベント「Huawei Global Analyst Summit 2016(HAS 2016)」を開催し、2016年の経営戦略「All Cloud」を発表した。製品・ソリューションの全面的なクラウド展開を推進し、ユーザーのデジタル化への転換を支援する。(真鍋 武)

徐直軍
輪番CEO兼取締役副会長

 徐・輪番CEOは、「これからの数年間で、ファーウェイはすべての製品・ソリューションを“クラウド化”していく」と意欲を示した。「All Cloud」戦略では、ハードウェアのリソース・プール化、完全に分散化されたソフトウェア・アーキテクチャ、完全なリソース配置の自動化を通して、機器・ネットワーク・サービス・運用という四つの観点からICTインフラを再構築(クラウド化)し、通信キャリアと法人ユーザーのデジタル変革につなげる。これによって同社が定義する高品質なユーザー体験「ROADS(Real-time、On-demand、All-online、Do it Yourself、Social)」を実現していくという。

 とくに法人向けICTソリューション事業では、統合クラウド基盤「FusionCloud」を中核商材として、オープン・ハイブリッドなクラウド・ソリューションの提供に力を注ぐ。黄瑾・ITプロダクトライン副総裁は、「基本戦略はOpen+Hybrid+Integratedだ。これによってエンタープライズ企業のデジタル化を加速させる」と説明。FusionCloudの構成要素であるクラウドOS「FusionSphere」はOpenStack、ビッグデータ分析基盤「FusionInsight」はHadoop/Sparkアーキテクチャ、分散型PaaSの「FusionStage」はDockerコンテナのマイクロ・サービス・アーキテクチャと、いずれもオープンソースをベースに開発している。

 ファーウェイは、自社製品にパートナーの得意分野を組み合わせ、付加価値の高いソリューションとして提供する「Being Integrated戦略」を推進しており、FusionCloudの展開でもパートナーと連携したエンド・ツー・エンドのクラウドソリューションを提供。すでにFusionCloudを活用したクラウドソリューションのユーザー数は2500社を超えた。例えば、今年3月には、ファーウェイのクラウド基盤を活用して、ドイツテレコムが欧州向けパブリッククラウドサービス「Open Telekom Cloud」の提供を開始した。すでに同サービスは独SAPなどが採用しているという。

 ファーウェイの15年度(15年12月期)の法人向けICTソリューション事業グループ売上高は前年度比43.8%増の276億元。パブリック・セーフティ、金融、運輸、エネルギーの各分野が好調だった。売上高の75%はパートナー経由によるもので、パートナー網はディストリビュータ・付加価値パートナーが300社、二次チャネルパートナーが8000社を超えた。このうち約350社とは、共同イノベーションを通じて各産業向けソリューションを開発している。ファーウェイは19年に法人向けICTソリューション事業部の売上高100億米ドルを目指しており、同事業部の何達炳・マーケティング・ソリューション・セールス部門プレジデントは、「今後5年間は(15年度の)成長率を維持したい」と語った。