中国半導体・IT大手の紫光集団(趙偉国董事長)は5月6日、グループ傘下企業として新華三集団(New H3C Group、于英涛・総裁兼首席執行官)を正式に始動させた。昨年5月に米ヒューレット・パッカード(現:Hewlett Packard Enterprise=HPE)と交わした戦略提携にもとづくもので、新華三集団は紫光集団が51%、HPEが49%出資する合弁企業となる。(真鍋 武)

 新華三集団は、主に杭州華三通信技術(H3C Technologies)と紫光華山科技(UNIS Huashan)で構成される。杭州華三通信技術は、自社ブランドのネットワーク機器やサーバー、ストレージ製品などを提供するITベンダーで、紫光華山科技は昨年7月に設立された中国でHPEブランド製品の供給を独占的に手がけるプロバイダ。昨年5月、紫光集団はグループ傘下の紫光を通して、米ヒューレット・パッカードの中国におけるサーバーやストレージ、技術サービスなどの法人事業(現:紫光華山科技)と、中国子会社の杭州華三通信技術の株式51%を買収する契約を交わした。約1年にわたる調整・準備期間を経て買収が完了し、このたび正式に新華三集団は事業活動を開始した。

 中国全国に39拠点を抱える同社は、H3CとHPEの両ブランドを扱う大手ITベンダーとして中国市場を開拓する。

 紫光集団は、国内外の半導体関連企業を相次いで買収するなど、M&Aに積極的な企業として知られる。同社は近年、クラウド事業にも力を注いでおり、効率的に顧客基盤やリソースを獲得することを目的として、HPEとの戦略提携に至った。一方のHPEには、株式51%の売却によって新華三集団を中国国有系の企業へと転換させることで、中国の政府・国有企業向けビジネスをやりやすくする狙いがある。

 調査会社IDC中国では、今回の新華三集団の成立によって、中国のハードウェアベンダー間の競争が過熱化すると分析。新華三集団の筆頭株主が国有系企業である紫光となったことから、「国有企業の身分は、(中国政府によるIT製品導入の)国産化のトレンドによりよく対応することが可能で、政府と国有企業関連の業界で大きく競争力を強化でき、これまでの市場競争の構造を変える」としている。