週刊BCNは6月24日、「求む!ビジネスパートナー ~SIer、リセラーのためのITトレンドセミナー~」と題し、SIerとリセラー向けのセミナーを愛知県名古屋市のミッドランドホールで開催。基調講演のほか、全国展開に注力するベンダーが商材とパートナー戦略を紹介した。

 基調講演は、クラウドサービス推進機構の松島桂樹・代表理事が登壇。「クラウドの売り方~SIer、販売代理店が商機を逃さないために」と題して講演した。

クラウドサービス推進機構の松島桂樹・代表理事

 松島代表理事は冒頭、「クラウドサービス認定プログラムを開始したことで、サービスそのものがクラウドに向いているかどうかではなく、小さな機能を提供するクラウドサービスをつないで活用することが有効だと認識するようになった。小さなクラウドサービスをつなぐには、システム開発が伴う。今日、参加されている皆さんの知恵が必要とされている」とクラウド時代でもSIerが求められていると語った。クラウドサービス推進機構は、発足からの丸3年となる。また、年に1回開催しているクラウドサービス認定プログラムは、今年で3回目となる。

 また、クラウド時代では「製品売り切りモデル」から、サービスを提供して、利用情報の収集、データ分析、改善のPDCAサイクルをまわす「サービスサイクル」への転換が必要だとし、富山の薬売りなどの例を挙げながら、ビジネスモデルの転換の必要性を訴えた。講演の最後に松島代表理事は、中小企業は相談役を探しているとして、SIerは「近所の電気屋さん」として相談にのり、業務改善に貢献してほしいと語り、講演を締めくくった。

 セッション1では、「総デジタル時代を生き抜くヒントとは ~成長し続けるITビジネスを考える~」と題し、SAPジャパン パートナー統括本部パートナー開発シニアマネージャーの斎藤広一氏が登壇。SAPは今、「デジタル・トランスフォーメーション」を戦略の中心に据え、従来のオンプレミス型ERP中心の製品ポートフォリオを刷新、クラウドベンダーへと大きく舵を切っている。「もはや、ERPはSAPのメインではない」と斎藤氏。なかでもパートナー経由でのソリューション提供が中心となってきていて、「SAPは食材提供、パートナーにはシェフの役割を期待している」とし、一緒に最適な料理(ソリューション)を提供していきたいと語った。

 セッション2では、「国産NASヘッドを利用したデータ共有とデータ保護アプライアンス製品のご紹介」と題し、アーク・システムマネジメント代表取締役の日吉孝浩氏が登壇。同社のNASはハイエンドNASと低価格NASの中間のポジションにあり、「ユーザー企業の要望がきっかけで製品を開発した」と日吉氏。バックアップ機能を備えているため、導入後すぐに運用できることをアピールした。日吉氏は最後に「当社はハードウェアよりのベンダー。SIerの皆さんの声を反映することで、今後も製品を発展させていきたい」と、共同の製品開発を訴えた。

 セッション3では、「次世代ファイアウォール/UTM『Clavister(クラビスター)』のご紹介 ~アプライアンス、仮想、IoT、組込型UTMビジネスを見据えて~」と題し、キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部の柳澤直樹氏が登壇。サイバー攻撃などの脅威に対処するためUTM製品「Clavister」を紹介した。同製品の特徴はファームウェアが非常に軽いところ。「サイズが17MBしかないため、USBメモリに組み込める」とアピール。仮想環境やIoT、組み込みなどの分野に強い企業と組んで、「新たなビジネスを立ち上げていきたい」とアピールした。

 セッション4では、「暗号化とは違う、情報共有を促進しながらファイルの外部流出を防ぐ方法とは?」と題し、オーシャンブリッジ 営業部の高木庸平氏が登壇。海外ソフトを日本に紹介することに取り組んできている同社は、ファイルビューアソリューションの「Brava」を紹介。Bravaは、ファイルをウェブブラウザで表示することで、セキュリティを確保しながら情報共有などを実現する。クライアント側では表示するのみなので、持ち出しができない。また、「電子透かしで、デジカメなどによる画面撮影にも対応している」と、高木氏は製品の特徴を紹介した。

 セッション5では、「IxVision ビジビリティアーキテクチャ -ブラインドスポットを取り除く-」と題し、イクシアコミュニケーションズ 公共・エンタープライズ営業部シニアシステムエンジニアの清水猛氏が登壇。清水氏は、企業のシステム環境がますます複雑化していくなかで、効果的なモニタリングなどが必要とされているが、「APM(Application Performance Management)に投資をしても、79%が有益な結果を得られていない」などの統計情報を紹介。安全にネットワークを稼働させるなどのためには、正しいツールをもつことが不可欠である」と語った。そして、「組織はイベントの洞察を提供するビジビリティソリューション」をもたなければいけないとし、同社の「IxVision」を紹介した。また、既知の悪意あるトラフィックなどを排除する「TreatARMOR」も紹介。どちらも他社にないソリューションであるとし、協業のメリットを訴えた。

 最後に主催者講演として、『週刊BCN』の編集長、畔上文昭が「勝ち抜くSIerの条件~キーワードで考えるSIの未来」と題し、クラウドやビッグデータ、IoT、AI(人工知能)といったキーワードの相関関係などを紹介しながら、SIerが進むべき道について解説した。

 休憩時間とセッション終了後に名刺交換会を実施。講演者と参加者、参加者同士で情報交換を行った。なお、週刊BCNは今後も「BCN全国キャラバン2016」シリーズを全国主要都市で開催することを予定している。

愛知県を中心に東海各県からSIerやリセラーが多数参加。最後まで熱心に聴いていた