【香港発】NTTコミュニケーションズ(NTT Com、庄司哲也社長)の「香港 ファイナンシャル データセンター」が売れている。2013年にオープンした第1棟は、販売開始時点で満床。約150億円を投じて建設した第2棟も15年12月の提供開始から好調で、NTT Com Asiaの野本正樹・Corporate Planning Executive Vice Presidentは、「現時点で、当社の香港データセンター(DC)市場における市場シェアは2~3割。シェアNo.1の事業者だと考えている」と自信をみせる。(真鍋 武)

 香港 ファイナンシャル データセンターは、サーバールーム面積1万7000m2、ラック換算では7000ラック相当の大規模DCだ。香港はアジア地域の経済活動のハブとして、多国籍企業の拠点が集中しており、立地的にも各地域との距離が近いことから、比較的高速なネットワークが提供しやすい。そこで、アジア全域へのサービス提供拠点や、中国へのゲートウェイとしての利用が進んでいる。とくに、IT投資額が大きい金融機関やIT企業の需要が旺盛だ。

香港 ファイナンシャル データセンター


NTT Com Asia
Corporate Planning Executive
Vice President
野本正樹
 香港でDCサービスを提供する企業は多数あるが、NTT Comの香港 ファイナンシャル データセンターは、DCの設備品質がTier IVに対応しており、他社にない高信頼性を有している。延床面積も最大規模だ。さらに、高速なネットワーク提供を実現。九龍半島東部・将軍澳地区に位置する同DCは、大容量光海底ケーブルASE(Asia Submarine-cable Express)が直結しており、アジアの主要都市間を結ぶネットワークサービスを低遅延・低コストで利用できる。香港証券取引所とも近接しており、100万分の1秒を争う金融商品の高頻度取引も可能だ。これに加え、野本Executive Vice Presidentは、「DCサービスだけでなく、クラウド、ネットワーク、セキュリティ、マネージドサービスと、広い範囲でお客様のICT基盤をサポートできる」と話す。

 今年7月以降には、NTT Comの世界中のDCに設置された顧客のシステムや「Enterprise Cloud」を低価格で相互に接続できる最大10Gbpsの大容量DC間ネットワークにも対応する。

 中国本土では、政府の通信ライセンス規制によってDCサービスが苦戦を強いられている同社だが、フェアな市場競争が可能な香港ではひときわ存在感を高めている。