リード エグジビション ジャパン(石積忠夫社長)は10月26日~28日の3日間、毎年恒例のIT総合展示会「Japan IT Week 秋 2016」を千葉・幕張メッセで開催した。出展企業は約640社で、昨年の535社を100社以上も上回った。今年の展示会で目についた点をレポートする。(藤代格)

 注目を集めた「IoT」をテーマとした「第2回IoT/M2M展【秋】」では、出入口すぐに位置したオプティムブース、その一つ奥に構えるアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)ブースは、記者が訪れた時は黒山の人だかりであった。オプティムブースでは今年3月に発表したIoTのためのOS「OPTiM Cloud IoT OS」と、IoTソリューションが実現した事例を紹介。OPTiM Cloud IoT OSは、各デバイスの入力からそのデータの蓄積と分析、データ出力までを標準搭載するプラットフォームで、オプティムが提供するOSにはIoTを導入する際に必要となる機能を実現するアプリケーションを無償で標準搭載している。また、結果を受けてどう活用するかのコンサルティング部分までをオプティムが提供する。
 
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オプティムブースの前の様子
 
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ブースでは事例を紹介。農業分野ではドローンで害虫を検知し、
データをもとに農薬をピンポイント散布するソリューションを展開

 
201610311159_3.jpg「OPTiM Cloud IoT OS」を中心としたIoTサービスを展開する

 MDMベンダーとして名高いオプティムは、今回のOPTiM Cloud IoT OSでは機器を管理するアプリケーション部分の多くを、同社が手掛けるMDM「Optimal Biz」から踏襲している。「もともとオプティムはAICやMDMなど機器をつなげ、それらの接続を簡単にするデバイスの管理部分をこれまで展開してきた。デバイスが増えていくであろう今後に向け、これまでの強みを基盤にしながら、今後はデータ活用に使えるアプリケーションも提供していく」(オプティムビジネスユニット1の一島耀リーダー)と、今後の方向性を語る。

 その横で、同じく人だかりをつくっていたAWSブースでもオプティムブースと同様に、AWSのIoTソリューションを業種や製品、パートナーごとに紹介していた。ただし、こちらはセミナー、展示ともにAWSだけでなく、SAS Institute Japan、スプランクサービスジャパン、セールスフォース・ドットコム、PTCジャパンのパートナー4社が実際にブースを構えることで、AWSのIoTソリューションを5社共同で大々的にアピールする構成をとっていた。
 
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AWSブースはAWS単体でなく、展示、セミナーでもパートナー4社と共同展開

 ゾーニングこそ「第7回クラウドコンピューティングEXPO【秋】」に構えたものの、同じくIoTというテーマを前面に打ち出していたのはニフティだ。10月25日より新たに提供を開始した「ニフティクラウド スクリプト」「ニフティクラウド IoTデバイスハブ」を含めた「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」を前面展開。クラウドEXPOに位置しながら、こちらもセミナーは満席。来場者のIoTへの関心の高さが伺わせた。
 
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新たに提供開始された機能
 
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こちらもセミナーは満席の様子

 クラウドEXPOでブースを構えていたNTTネオメイトは、秋をテーマとしたブースを構え、2年連続国内シェアNo.1(富士キメラ総研調べ)となっているクラウド型コールセンター「AQStage IPコールセンタサービス」、ワークスタイル変革クラウドとなる「AQStage 仮想デスクトップ」を紹介していた。NTT西日本のグループ会社でもある同社は、東京の展示会で最近よく見かけるようになった会社の一社でもある。NTTネオメイトのワークスタイル変革サービス営業推進部門の植田嗣也事業戦略担当は、「西日本の顧客は確かに多いが、徐々に全国へと広がりつつある」と語る。仮想デスクトップに関しては、「一度導入した企業が入れ替えをするタイミングにもなりつつある」と、ワークスタイル変革のニーズなど、市場の変化に伴って全国レベルで商機が発生しつつあるという。
 
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紅葉で彩られたブースで、浴衣を着たコンパニオンが出迎える
 
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ワークスタイル変革を支えるエンドポイントセキュリティを中心に紹介

 青を基調としたブースを展開するナレッジスイートは、手掛けるサービスをくまなく展示する一方で、近日展開予定の類似企業抽出エンジン「BlueMonster」を正式発表に先駆けて展示していた。自社で名刺やリストのデジタル化が進むなか、そのもう一歩先の活用の提供を目指す製品で、デジタル化された情報をナレッジスイートが保有する140万社の顧客DBと突き合わせ、営業先になる可能性の高い企業を抽出する製品となっている。
 
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ブースではナレッジスイートのサービスラインアップを大きく紹介
 
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「BlueMonster」という名前は、いつも赤鬼ばかりで恵まれない
青鬼を恵ませたいという意志が込められているという

 「第6回情報セキュリティEXPO【秋】」でブースを構えるストレージクラフトテクノロジーも、「展示こそバックアップソフトである『SHADOWPROTECT』シリーズのみとしたが、この12月にはクラウド対応製品をローンチする」(山本知基シニアセールスマネージャー)と、市場にクラウドの新製品を投入する意向だ。「昨年末に経営陣が代わり、より積極的な手が打てるようになった」と、ストレージクラフト自体が前向きに変わりつつある状況を語りつつ、日本でも盛り上がりを見せるクラウド需要に対応する製品投入を進めるという。

 ウルトラエックス、アドバンスデザイン、オサムインビジョンテクノロジーと共同でブースを構えたワンビは「TRUSTDELETE OP」を参考出展した。これは、遠隔で端末内のデータを消去する「TRUSTDELETE」と、指定エリア外への移動や接続環境の変化など、設定している環境ポリシー違反が発生した場合に、デバイスロックや強制シャットダウンなどのアクションによって、端末のそれ以上の使用を防ぐ「OneBe UNO」を掛け合わせたような製品。オンプレミスで立てたサーバーから管理ポリシーを送信し、ポリシー違反が発生した場合に設定したアクションを実行する。端末ロックや強制シャットダウンに加えてデータの消去も設定可能で、サーバーで社内端末の一括管理ができるようになる。同社は創立10周年を迎えたとのことで、ブースではスペシャルノベルティも配布。参考出展製品とあわせて来場者を惹きつけていた。
 
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ブースでは設立10周年記念ノベルティを配布。
写真は製品を説明していただいた製品開発本部の牧真一郎シニアエンジニア

 
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TRUSTDELETE OPの概要。
一言でいうと「OneBe UNOのクラサバ版」(牧真一郎シニアエンジニア)

 同じく10周年を迎えたのは、インターコムが提供する情報漏えい対策・IT資産管理ツールMaLion。オンプレミスの最新バージョンとなる「MaLion 5」と、プライベートクラウドサービス「MaLion Cloud」を展示した。インターコム広報宣伝グループの山中弘重サブグループ長は、「オンプレミス版、クラウド版ともに展開している資産管理ソフトが少なく、専任のIT管理者が不在だったり、自分たちのクラウドを構築できない中小規模の企業から好評をいただいている。また、従来より力を入れているMac対応は、引き続き大きなアドバンテージとなっている」と、好調要因を分析。8月に発表したアズビル セキュリティフライデーが提供するサイバー攻撃検知システム「VISUACT-X」との連携ソリューションも新機能として年度内での提供を予定しており、10周年を迎えた後も、引き続きMaLionに注力していく考えだ。
 
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MaLionシリーズは今年で10周年
 
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新機能は3月までに提供開始される見込みだ