【上海発】ニフティ(三竹兼司社長)は、クラウド事業のグローバル展開を強化する。10月26日、大連ITサービス大手の大連華信計算機技術(DHC、劉軍董事長)と提携した。パブリッククラウドサービス「ニフティクラウド」を同社にOEM提供する。DHCは、自社のデータセンター(DC)上で「華信商用雲 Powered by NIFTY Cloud」として販売していく。(真鍋 武)

 ニフティでは、「ニフティクラウド」のOEM提供によるビジネス拡大を進めており、富士通マーケティングやネットワールドなど、日本国内で8社と提携している。

上海市のセミナーでは約40人を集客

 海外では、クララオンラインと共同で、中国市場に「ニフティクラウド」のエンジンを採用したIaaS「鴻図雲」を提供しているが、並行して、現地市場に精通する地場ベンダーとの協業を模索していた。そこで今回、DHCと提携。同社は、大連にTier4レベルの高品質なDCを保有しており、中国国内でのSI実績も豊富。また、オフショア開発で長年、日本企業と取引しており、良好な関係を構築しやすい。

 実際の契約は、ニフティとクララオンライン、DHCの3社間で締結した。ニフティがクラウドをOEM提供し、DHCは自社DCから「華信商用雲 Powered by NIFTY Cloud」を販売。クララオンラインは、日中間での豊富なコンサルティング実績を生かし、両社の円滑なビジネス推進を支援する。すでにDHCは提案活動を開始しており、サービス内容は随時改良していく方針だ。ニフティとしては、今回のOEM提供を通じて、中国企業の開拓に拍車をかける狙いがある。

ニフティ
渡邊太郎
クラウド事業部
クラウドインテグレーション
部課長
 ニフティクラウド事業部クラウドインテグレーション部の渡邊太郎・課長は、DHCとの協業について、「今後のグローバル展開の試金石であり、大きな一歩だ」と話す。ニフティが海外の現地企業に「ニフティクラウド」をOEM提供するのは今回が初めて。ここでビジネスモデルをいかに構築するかが、今後のグローバル展開を左右するというわけだ。同社では中国に加え、東南アジアや北米、欧州でのクラウド展開を検討しており、現在も数社と協業を検討している。

 一方、クララオンラインと共同で提供している鴻図雲に関しては、今後も引き続き注力する方針だ。両社は11月4日、上海市でセミナーを開催し、日系IT企業を中心に約40人を集客した。鴻図雲を活用したビジネスを展開する企業を拡充し、エコシステム構築を加速させる考えだ。

 日系企業向けの提案では、鴻図雲と華信商用雲は競合にもなり得るが、渡邊課長は、「鴻図雲のバックアップサイトに華信商用雲を利用してもらうなど、同じ技術をベースに構築されたクラウドの優位点を生かし、シナジーを創出したい」と意欲を示している。