トレンドマイクロ(エバ・チェン社長)は、2017年の法人向け事業戦略を明らかにした。同社の提唱するセキュリティアプローチ「XGen」にもとづくセキュリティソリューションの提供、マネージドセキュリティサービス(MSS)パートナーとの協業強化、IoTセキュリティソリューションの提供の3点に力を入れていくという。

201704171652_3.jpg

大三川彰彦
取締役副社長

 XGenは、人工知能(AI)やサンドボックスのような「先進技術」とパターンマッチングをはじめとした実績のある従来型技術との組み合わせで、既知/未知の脅威に対抗していくというもの。これまで、エンドポイント対策製品「ウイルスバスター コーポレートエディション XG」でAIを搭載し、XGenのアプローチが採用されていた。

 今回、サーバーセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」やIPS製品「TippingPoint」をはじめとした計10製品・サービスにおいて新たにAI技術を搭載し、XGen対応を拡充することを発表。すでに搭載されているウイルスバスター コーポレートエディション XGのAI技術も強化を予定している。また、Deep Discovery、TippingPointでは、サンドボックスとの連携により、標的型攻撃への対応力の向上を図るほか、クラウドパートナーなど他社との連携も強化する。

 MSSパートナーとの協業強化では、中小企業から大手企業まで、幅広い顧客層に即したセキュリティソリューションをトータルで提供していく考え。とくに中小企業に対しては、エンドポイント、ネットワークのセキュリティ対策をSaaSで提供。すでに、大塚商会などと協業し、ビジネスを展開している。

 IoTセキュリティでは、ホーム、自動車、工場向けIoTセキュリティソリューションの提供にフォーカスする。ホーム向けでは、ネットワーク機器ベンダーへのOEM提供、通信事業者へのサービス提供を行う。自動車向けでは、自動車、車載機器メーカーにSDKを提供することによって、自動車のリスク検知とシステム保護を図る。工場向けでは、工作機械や産業用ロボットメーカーに対して製品を提供し、セキュリティ対策を組み込む。また、制御系システムインテグレータと協業して、トレンドマイクロのセキュリティソリューションを提供していく考えだ。
 
201704171652_4.jpg

エバ・チェン
社長兼CEO

 エバ・チェン社長兼CEOは、ITインフラやユーザー行動の変化、新たな脅威の出現などによって、「セキュリティビジネスも急速に変化しており、われわれも戦略を変えていかないといけない」と語る。また、大三川彰彦取締役副社長は、「巧妙化を続ける脅威に対しては対症療法的なソリューションだけでは間に合わない。また、お客様のセキュリティ課題は多様化している。業種に特化した、顧客に即したセキュリティソリューションを届けなければいけない」と指摘したうえで、「XGenとMSSが今年のビジネスの大きなポイントになる」と話した。(前田幸慧)