講演回数は、従来の3分の1の年間100回程度に減る?

 ――いままでは、ソフトバンクという製品・サービスを流通する立場にありましたので、どちらかというと中立的な立場で話ができました。ただ、富士通となりますと、どうしてもメーカー色が出ます。これまでとは、依頼のされ方も変わるでしょうね。

中山 ソフトバンクにいながら「IBM Watson」のエバンジェリストをしていました。その前は、「iPhone」のエバンジェリストをしていましたので、私をアップルの社員と勘違いする人もいました。メーカーに近い人間として話をしていましたので、さほど違和感はありません。ただし、いままでと、講演の依頼内容や講演する相手がどう変わるかは想像できていません。それでも、「(富士通の色は付いているけど)あの人の話は聴いてみたい」と、思われるような存在になりたいです。
 
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エバンジェリストの養成や経営戦略にも携わる
 
 ――本日付(8月21日)で入社しましたが、当面、何をしていくのですか。

中山 富士通から求められているのは、まずエバンジェリストとして「Zinrai」や「MetaArc」などを広めることです。それに加えて、富士通社内のエバンジェリストを養成することです。エバンジェリストの経験者が少なく、「先生」のなり手がいないということです。製品別でも、組織でも縦割りですし、顧客目線でフラットに話ができる人材が不足しているようです。人材養成の部分では、資料作成や映像制作、話し方なども含めて指導します。

 もう一つは、今回役員として着任しますので、経営戦略の企画・立案部分にも携わっていきます。例えば、AIのビジネス戦略などになります。

 ――富士通への移籍を知らずに、先の講演を依頼した方もいるんではないですか。この仕掛かり分はどうしますか。富士通の人になったことで、キャンセルされるケースもあるんではないですか。

中山 来年2月までに30件ほどの講演が入っています。しかし、いずれも、冠が富士通になってもやってほしいといってもらっています。ソフトバンク時代の講演活動は、ほぼ毎日でした。しかし、富士通では、エバンジェリストの育成や経営戦略の役目もありますので、年間100回程度になると予測しています。
 
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取材をした週刊BCN編集委員の谷畑(左)と中山氏は、ともに東京五輪の年、1964年に生まれた
 
【profile

富士通
常務理事グローバルマーケティング部門首席エバンジェリスト
中山 五輪男(なかやま・いわお)


 1964年5月 長野県伊那市生まれ。法政大学工学部電気電子工学科卒業。2001年、複数の外資系ITベンダーを経てソフトバンクに入社。法人事業戦略本部戦略事業統括部首席エヴァンジェリスト。17年8月21日、富士通の常務理事首席エバンジェリストに就任。これまでスマートデバイス、クラウド、ロボット、AI、IoTの5分野を得意分野とし年間約300回の全国各地での講演活動を通じてビジネスユーザーへの訴求活動を実践してきた。さまざまな書籍の執筆活動や複数のTV番組出演での訴求など、エバンジェリストとしての活動をしつつ、国内30以上の大学での特別講師も務めている。

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