中堅SIerの東華軟件(DHC Software、薛向東董事長)は、人工知能(AI)を事業拡大の核心要素に位置づけた。各産業向けに特化したAIソリューションを開発・販売していく。中国では、AI産業の発展が重要な国家戦略となっており、ビジネスチャンスが拡大している。

 9月14日付の公司公告で、第一弾として医療業向けの「精密医療」、公安局向けの「AI+公安ビッグデータ」、金融業向けの「楽享智投」の三つのソリューションを発表した。「精密医療」は、患者の画像データや電子カルテのデータとAI技術を組み合わせて、臨床診療をサポートするソリューション。正確な診断や臨床研究の高度化につなげられる。「AI+公安ビッグデータ」では、ディープラーニングにもとづく顔認識や映像解析などの技術と、公安局がもつ監視カメラの映像などのビッグデータを融合し、例えば事件の容疑者を特定して早期解決に結びつける。以前は100人のスタッフが1か月かけて行っていたデータ解析を1日で完遂できるという。「楽享智投」は、銀行や証券会社、投資機構などの金融機関が、顧客のリスク分析や収益予測、投資計画の策定を自動で行えるソリューション。金融市場のリアルタイム監視やリスクの警告通知、分析レポート生成などの機能を備える。

 東華軟件は、2001年設立のSIer。中国全土に約60拠点、8000人の従業員を抱える。16年度売上高は前年度比15%増の約64億7674万元。近年は、独自ソリューションの研究開発に注力しており、研究開発人員は過去1年間で60%増加して約4250人となっている。(真鍋 武)