パートナーエコシステムの拡大も

 日立製作所(東原敏昭社長兼CEO)が提供するビジネスメディアサービス「TWX-21」が、新たな成長のかたちをみせつつある。同社はエマージング・テクノロジーとの融合によりTWX-21のプロダクトとしての価値を高めようとしているほか、パートナーエコシステムの拡大も図っている。

201803261200_1.jpg

吉田貴宏
部長

 TWX-21は受発注を中心とした、取引先やパートナー企業との業務連携に関わるサービスを提供するSaaS群だ。Web-EDIサービスや直接材の購買サービス、間接材の集中購買サービス、グローバルに展開した販売会社と製造拠点間のPSI情報共有化サービス、カタログ品の販売業務支援サービスなどをラインアップしている。吉田貴宏・アプリケーションサービス第1本部アプリケーション第1部部長は、「購買調達に関するサービスがメインだが、販売側の業務を支援する機能も提供している。これまで15年以上にわたり6万4000社のお客様(バイヤー、サプライヤーの両方を含む)にご利用いただいている。もともとは製造業の生産管理の仕掛け、MRPの仕掛けを全部ネットワークを介してやれるんじゃないかということでサービスを提供し始めた。日立グループもTWX-21の重要なユーザーであり、日立グループの購買改革と一緒にサービスを常にアップデートしてきたことが、プロダクトとしての大きな強みになっている」と説明する。また年に1回、TWX-21最新活用事例の情報共有を促進する場として「ユーザ連絡会」というイベントを開き、盛況を博しているという。ユーザーコミュニティの活動が活発化していることが、TWX-21の成長を後押ししている側面もありそうだ。

 最近の新しい動きとして、日立はみずほ銀行と共同で、TWX-21の利用企業向けに、同サービス上の商取引に関するデータを活用した新しいレンディングサービスの提供を始めている。まずは、日立グループ企業と取引のあるサプライヤ企業、かつ事前に同意を受けた企業を対象に、試行的サービスを開始したかたちだ。吉田部長は、「とくに中小企業にとっては運転資金調達が効率化、多様化されるなどメリットが大きい。AIなどを駆使し、中小企業の資金調達支援のさらなる高度化を進めていく」としている。TWX-21を企業間取引の業務に活用してもらうだけでなく、そこで蓄積されたデータを価値に変えて新たにサービス化していく流れも出てきている。

 また日立はブロックチェーンの検証環境「Blockchain PoC環境提供サービス」も提供しているが、サプライチェーンをブロックチェーン活用の有望分野と位置づけており、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティ管理システムのプロトタイプも開発。TWX-21が担ってきた既存の電子商取引サービスと連携する、オープンなサプライチェーン基盤の実現を目指している。TWX-21に、ブロックチェーンが新しい価値を付加する青写真もみえてきたといえそうだ。

 TWX-21の拡販には、従来、日立グループのベンダーが中心的な役割を果たしてきたが、認定販社制度も存在する。吉田部長は今後の販売戦略について、「TWX-21は常に進化しており、顧客層もどんどん広げていきたい。そのためには、グループ外のSIerやコンサルなどにもパートナーエコシステムに入ってもらい、ビジネスのボリュームを大きくしていきたい」とコメントしている。(本多和幸)