2017年はフラッシュストレージ事業が好調だった日立製作所。昨年は当初の計画を上回るスピードで新製品を投入したが、その勢いが今年も続いている。HDDからフラッシュへの移行を促すため、フラッシュストレージのミッドレンジモデルを追加するとともに、従量課金制サービスを強化。昨年に引き続き、今年もフラッシュ事業を拡大する考えだ。

運用管理の自動化にも注力


前田宏幸
ITプロダクツ統括本部
プロダクツビジネス本部
プロダクツビジネス推進部
担当部長
 「フラッシュは容量単価が年々下がっている。しかしお客様は大容量フラッシュはまだ高いというイメージを強く持っている。そのため、フラッシュを効率的に使うため、保存するデータを小さくする圧縮技術を搭載していることが一般的だ。当社はここに強みがある」と話すのは前田宏幸・ITプロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部 プロダクツビジネス推進部 担当部長だ。

 「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)ファミリー」のミッドレンジモデルとして、オールフラッシュアレイの「VSP Fシリーズ」、ハイブリッドフラッシュアレイの「VSP Gシリーズ」を用意した。2シリーズともにストレージI/Oのパターンに基づいて重複排除/圧縮処理を適用するタイミングを自動的に切り替える新機能を備える。例えば、小容量でランダムアクセスが主となる通常運用時はポスト・プロセス方式に切り替え、レスポンス性能を担保する。大容量でシーケンシャルアクセスが主のデータ移行時やバッチ処理時はインライン方式に切り替え、移行先ストレージで消費するデータ量を抑止する。「これにより性能向上と容量削減の両方が実現でき、さらに相互の効果を合わせて最大10倍のコストパフォーマンスを実現できる」と前田担当部長は説明する。

 「お客様から見ると、どのくらい容量が削減されるかわかりにくい」(前田担当部長)という課題に対しては、独自シミュレーションツールを使って重複排除/圧縮の効果と移行後の必要容量を事前検証する「データ容量最適化サービス」を提供することで解消する。同サービスでは、最適なモデル・ドライブ構成を提案するとともに、容量削減効果を保証する。

 従量課金制サービスは、フラッシュストレージを対象にした「All Flash Array オンデマンドサービス」を追加する。従来型のストレージサービスと同様、月額課金で利用でき、容量の増減も容易だ。さらに、I/O処理性能を性能要件に合わせて制御できる専用のオールフラッシュアレイを採用することで、I/O性能も必要に応じて向上できる。

 今後は、ストレージシステムの自動化ソリューションを成長分野ととらえ、開発を強化していく方針だ。システム全体の管理や監視、予兆検知により障害や性能のスローダウン、問題点の解析・改善を促すソリューションを開発するという。前田担当部長は「ソフトウェア事業で蓄積したノウハウとストレージ事業を統合することで日立の強みを出せるソリューションを開発できる」と意気込む。(山下彰子)