DTSグループのデジタルテクノロジー(小林浩利社長)は、主力のハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の販売台数が昨年度比で倍増する見通しを示した。同社は、米データコア・ソフトウェアのHCIを活用した独自製品「D-RAID ADVANCE(ディーレイド・アドバンス)」を販売しており、従来型のサーバー構成より割安で、運用の手間も軽減されることから、「主に中堅・中小企業ユーザーからの引き合いや受注が相次いでいる」(市橋博之代表取締役常務)とほくほく顔だ。

市橋博之
代表取締役常務
 売れている要因は、HCIがコンパクトなきょう体にまとめられる点に尽きる。コンパクトになった分、保守メンテナンスも行いやすく、限られた中堅・中小企業ユーザーの保守人員のリソースを有効活用できる。データセンターなどからサーバーラックを借りている場合、占有スペースが減って借り賃が安くなる。

 従来型のシステムでは、サーバーとストレージ、両者をつなぐネットワーク機器など複数の機材の設置スペースが必要だったが、デジタルテクノロジーのD-RAID ADVANCEであれば、主機とバックアップ機の最小2きょう体で済む。一般的なHCIは冗長構成と管理サーバーを含めた最小3台構成であるのに比べても少ない。価格も最小構成で200万円からと、既存のHCI製品に比べて安く抑えている。

 同社では、ニュータニックスやヴイエムウェア、Dell EMC、日本ヒューレット・パッカード、富士通といった主要なベンダーのHCI製品を取り扱っており、用途や目的に合わせて提案する商材を変えている。納入先は、大手企業の部門用サーバーから中堅・中小企業ユーザー、大学などの研究機関など幅広く、HCI関連の顧客数だけで毎年およそ100社/団体ペースの勢いで増えている。

 HCI関連の商材として、例えば仮想化環境から仮想化環境へデータやシステムの移行を支援するイスラエルの「Zerto」や、仮想化環境を効率よくバックアップするスイスの「Veeam」など各種ツールも取り揃えている。例えば、バージョンの古いVMwareから、最新のHCI環境へ移行したり、HCI環境のバックアップ先としてパブリッククラウドを選んだりすることが容易になる。オンプレミス型のHCI製品とパプリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドの提案にも力を入れる。

 デジタルテクノロジーは、今年8月に創業30周年を迎えた。創業時から時代の最先端を行くハードウェアやツール類の販売を得意としている。ミニコン、オープン化、仮想化、クラウド、HCIとITプラットフォームの変遷を先取りするかたちでビジネスを伸ばしてきた。直近ではHCI関連の伸びが好調で、今年度(2018年12月期)売上高の約4割がHCIを中心とする仮想化関連ビジネスが占める見込みで、来年度は半分に達するとみている。

 昨年度の売上高は、HCI関連ビジネスが好調だったことを受けて前年度比およそ18%増の約83億円。「今年度も引き続き伸びている」(市橋常務)と手応えを感じている。(安藤章司)