【上海発】華為技術(ファーウェイ)が、上海市で10月10日~12日に開催したイベント「HUAWEI CONNECT 2018」で、新型人工知能(AI)チップ「Ascend」(アセンド)シリーズを発表した。製品の根幹になるチップを自前で調達することで、米国依存からの脱却を狙う方針だ。

徐直軍・輪番会長

 今回、発表したのは、「Ascend 910」と「Ascend 310」の2種類。イベントで登壇した同社の徐直軍・輪番会長は、Ascend 910について「計算能力は世界で最大レベル」と説明し、現在、世界最高とされるNVIDIAの「V100」の約2倍の性能を誇ることを強調した。サーバーに搭載するかたちで2019年第2四半期の商用化を目指しているという。
 
「HUAWEI CONNECT 2018」の会場

 一方、モバイル端末向けのAscend 310については「アセンドのミニシリーズ」と位置付け、データセンターのトレーニングや推論にも活用できると説明。さらに19年は、時計やIoT向けのチップを「相次いで発表する」と呼びかけ、「アセンドシリーズが、さまざまな業界で導入されることで、AIが幅広く活用されていくだろう」と期待感を示した。

 ファーウェイをはじめ中国企業は、チップの調達は米国企業に依存している。そのため、米国ににらまれれば、事業が立ち行かなくなる危険性がある。それを露呈したのが、米国から経済制裁を受け、一時存続の危機にさらされたZTEの問題だ。

 米中貿易摩擦が激化するなか、AIの研究開発で世界をリードしたい中国企業にとっては、チップの自社開発は喫緊の課題。ファーウェイ以外にも、百度(バイドゥ)や阿里巴巴集団(アリババグループ)が、AIチップを自前で開発する方針を相次いで示している。

 中国政府は、国家戦略「中国制造2025」の中で、国内のチップの自給率を20年までに40%、25年までに70%に引き上げることを目標に定め、国を挙げてチップの“国産化”を急いでいる。中国国内のチップ開発は今後、加速の一途をたどりそうだ。