小売店向けの画像認識技術を開発する米スタンダード・コグニションが、日本の流通業向けに技術提供を開始した。売り場の天井に取り付けたカメラの映像をリアルタイムで解析し、顧客が棚からどの商品を取り出したかを認識。レジで精算することなく買い物ができる店舗を実現する。

西山陽平
ゼネラルマネージャー
 レジ無人化ソリューションはさまざまな形態が提案されており、最近では顧客が自分で会計を行うセルフレジ以外に、商品に貼り付けたRFID(無線ICタグ)を読み取る方法や、商品棚に設置したセンサーの情報を用いる方法などが実用化されている。これらに対し、スタンダード・コグニションの技術はカメラ映像のみで商品を特定するのが特徴で、商品や店舗設備にほとんど手を加えることなくレジ無人化が可能という。顧客はほしい商品を棚から取り出して、レジを通過することなくそのまま店を去るだけで、連携するスマートフォンアプリなどから支払いが行われ、買い物が完了する。店員の業務効率化だけでなく、会計の待ち時間がなくなるので顧客満足度の向上も実現できる。また、映像から得られたデータは売り場の分析や防犯にも役立てることができる。

 国内で最初のユーザーとなったのは、化粧品・日用品卸大手のPALTACで、同社が商品を納入しているドラッグストアの一つ、薬王堂仙台泉館店(宮城・仙台市)で来年実証実験を行う。PALTACは今回の技術を利用して、取引先小売店の運営支援を強化するほか、サプライチェーンの効率化を目指す。

 スタンダード・コグニション東京オフィス代表の西山陽平ゼネラルマネージャーによると、技術発表後、人手不足が深刻な課題となっている日本の小売業者からは問い合わせが相次いでいるという。主にチェーンストア向けに提案を図っており、PALTAC以外にも国内1社が導入に向けて準備を進めている。(日高 彰)
 
カメラ画像から顧客が手に取った商品を認識