日本IBMは、主力サーバー製品「Power Systems」関連事業の売り上げが、国内で年率10%程度伸びていることを明らかにした。世界全体でみても直近の4四半期は連続して伸びており、「国内ではそれを上回る期間で成長を続けている」(久野朗・コグニティブ・システム事業開発IBM i統括部長)。好調な背景には、ユーザー企業が取り扱うデータ量の増大への対応や、その分析にかかる処理能力の増強ニーズが高まっていることが挙げられる。

 Power Systemsは、旧AS/400の流れを汲む「IBM i」、UNIX系の「AIX」「Linux」の3つのOSに対応しているが、「どのOSを使っているユーザーもバランスよく売れている」と久野統括部長は話す。
 
日本IBMの久野朗統括部長

 日本IBMは、最新CPUの「POWER9」搭載のサーバー製品を矢継ぎ早に投入しており、この10月26日には、Power Systems最上位機種「E980」の国内第1号ユーザーとして家具販売のニトリホールディングスに納入したと発表。同社は、「AIX」をベースに自前で作った業務アプリケーション資産を、ほぼ手直しなしで継続利用できる新旧Power Systems間の「資産継承のしやすさ」(ニトリホールディングスの荒井俊典・ICTインフラ戦略担当ディレクター)を評価した。
 
Power Systems最上位機種「E980」の国内第1号ユーザーとなった
ニトリホールディングスの荒井俊典ディレクター

 既存ユーザーの旺盛な更改需要に支えられる一方、x86サーバーやクラウドサービスを使うユーザーの新規獲得には課題感が残る。

 日本IBMでは、スケールアップ型のPower Systemsと、スケールアウト型のクラウドとはアーキテクチャーが大きく異なり、「競合するものではない」(黒川亮・コグニティブ・システム事業開発部長)と役割分担ができると指摘。例えば、コンテナ型仮想化の技術進展によって、オンプレミスとクラウド間のアプリケーションの可搬性も高まっており、アプリケーションの特性によって使い分ける提案に力を入れる。

 また、Power Systemsの一部機種では最新CPUのPOWER9と、エヌビディアのGPUと統合することでスパコンに匹敵する演算能力を発揮。近年ニーズが高まっているAI(人工知能)やIoTデータ分析ニーズに対応する製品開発も推進。こうした取り組みによって既存ユーザーの更改需要と新規ユーザー獲得の両立を目指していく方針だ。(安藤章司)