京セラコミュニケーションシステム(KCCS)グループの人材サービス会社KCCSキャリアテックは、未経験者をエンジニアに育成する取り組みで成果を挙げている。現在、稼働中のエンジニア約500人のうち未経験者からエンジニアになった割合は約3割を占める。折からの人手不足の中で、「過去10年にわたって未経験者に門戸を開きエンジニアの育成に取り組んでいなければ、この割合まで増やすことはできなかった」と、同社の菅野俊典・人事部部長は未経験者向け育成プログラムの意義を話す。

(左から)KCCSキャリアテックの菊池顕美キャリアコンシェルジュ、
菅野俊典部長、久保晋也グループリーダー、
Pythonエンジニア育成推進協会の吉政忠志代表理事

 KCCSキャリアテックは、エンジニアの中途採用の割合が多い傾向があったが、2008年に未経験者を対象とした研修プログラム「キャリテク!」をスタート。ネットワークやサーバーなどのIT基盤をベースとしながら、その時々の重点分野の研修コースを開設してきた。直近では、AIアプリケーションなどの開発でよく使われる「Python(パイソン)」の「AIエンジニア研修」コースを新設。今年度は(19年3月期)は、Pythonを学んだAIエンジニアだけで計20人ほどの育成を予定している。

 AIエンジニア研修コースでは、KCCSキャリアテックがPythonエンジニア育成推進協会の「認定スクール」となり、3カ月の研修で同協会が行っている「Python 3 エンジニア認定基礎試験」の合格を目指すもの。研修プログラムを担当する同社の久保晋也・研修課グループリーダーは「未経験者がAIアプリケーション開発の第一歩を踏み出すための重要な試験」と、AIエンジニア研修に力を入れている。

 基礎教育であるため、すぐに客先でAIアプリケーション開発に従事できるとは限らないものの、菊池顕美・東日本採用課キャリアコンシェルジュは「Pythonとは何か、AIアプリケーションとはどういったものなのか、など大まかなイメージをつかむことで、将来のステップアップに役立てていく」ことを目標に置いていると話す。AIエンジニアの需要は今後一段と拡大していくとみられており、研修コースを未経験者にも広げていくことで、将来の人材確保につなげていく方針だ。

 Pythonエンジニア育成推進協会の吉政忠志代表理事は、「AIエンジニアが未経験からの一歩を踏み出すために必要な基礎教育が包括的に受講できる」と、KCCSキャリアテックのAIエンジニア研修を評価する。また、協会によれば、Python 3 エンジニア認定基礎試験の合格率は約75%。受験者のうち約4割がIaaSやネットワークなどのIT基盤系エンジニア、約4割がAIエンジニアを目指す初心者層、約2割がAIを活用したデータ分析をしたいと考えるマーケティング担当者などが占めるという。(安藤章司)