森美術館は、2019年11月19日から2020年3月29日まで開催する企画展のタイトルを日本IBMのAI「IBM Watson」を利用して決定した。

森美術館

 企画展はAI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)などの最先端テクノロジーや、その影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方を考えるのが趣旨。AIの開発と実績でトップランナーの日本IBMと、展示会でAIを活用したコラボレーションの可能性を企画当初から協議し、その結果、Watsonのもつ自然言語処理、概念抽出、大量のデータ抽出などの技術を生かして展示会のタイトルを考案することで協働することになった。

 タイトルを決めるため、まず企画書や森美術館の過去15年間の展覧会のタイトル、また企画者である南條史生館長へのインタビューなどテキストデータをWatsonに提出。Watsonがそれらの分析を行い、「Future」「Arts」「Human」というキーワードを抽出したのち、1万5000を超える単語の組み合わせを生成した。さらにAIが絞り込んだ約150のタイトル案から、プロジェクトメンバーが協議し、最終的に「未来と芸術展: AI、ロボット、都市、生命― 人は明日どう生きるのか」に決定した。

 この取り組みについて、日本IBMの岡田明・GBS iX シニアマネジングコンサルタントは「クリエイティビティにAIを活用するという今回の試みは、膨大な事象や文脈の背景を紐解き、着想・想像のパターンに迫っていくというチャレンジングな取り組みだった。AIというテクノロジーが思考や表現の領域でも一般的に浸透し、人間の創造活動を拡張する一助となれば」と語った。