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ディップ、人材サービス大手のオリジナルRPA、早くて安いテンプレートで導入障壁をなくす

2019/10/24 09:01

週刊BCN 2019年10月21日vol.1797掲載

 求人媒体大手のディップ(冨田英揮代表取締役)は 9月2日、人材派遣業界に特化したクラウド型RPAパッケージ「コボット」の提供を開始した。人材派遣業界で普遍的な業務を抽出しテンプレート化することで低コスト短期導入を実現。ヒューマンリソースとデジタルワークフォースを提供する“労働力の総合商社”を目指す。

三浦日出樹執行役員

 昨今の人材不足により、市場が拡大している人材派遣業界だが、同時に派遣する労働力の減少が原因で廃業に追い込まれるケースも多いという。AI・RPA事業部事業部長の三浦日出樹執行役員は「業績が悪くなったとき、これまでの人材派遣会社は広告費を削ることが多かった。しかし、それではより人が集まりづらくなってしまい、悪循環に陥ってしまう」と指摘する。そこで同社のRPAは、既存業務の自動化という形で、広告費以外のコストカットの選択肢を示すことができるという。

 一方で三浦執行役員は「従来のRPAは、導入に多大な時間・コストがかかり、専門の知識がないと運用が難しい」と指摘する。同社が提供するコボットは多くの人材派遣会社で行われている応募対応や派遣管理といった業務を、テンプレートとして抽出しパッケージ化。ユーザー側は一からロボットを作る必要がない。また初期導入費が不要で、月額課金モデルで提供するため気軽に導入・解約が可能になる。今後、案件のマッチングや求人出稿といった業務に対応する予定だ。これらのテンプレートメニューは同社が運営する求人サイト「はたらこねっと」の利用企業など3000社に対して行った調査を基にしており、「ある意味、われわれで業務分析を済ませていると言え、ユーザーは業務分析をせずにRPAを検討できる」(三浦執行役員)という。

 コボットの位置付けについて三浦執行役員は「RPAというよりはSaaS系のアプリケーションをベンチマークとしている。クラウドから提供することで全てのロボットの稼働率をチェックできるし、同じものを全てのユーザーに利用してもらうことで、課題を見つけやすくし、より質の高いサービスへとアップデートできる」と強調する。常時監視で手厚いサポートを展開し継続利用を促すほか、ロボットが止まった原因をユーザーのシステムまでさかのぼって判別できるため、ユーザーの利用比率が高い他社サービスと連携したパッケージを提案しやすくなるという。9月3日には人材派遣業界で高いシェアを持つ基幹システム「スタッフナビゲーター」と連携。今後は連携先サービスをさらに増やしていく考えだ。(銭 君毅)
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ディップ=https://www.dip-net.co.jp/