キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S、平賀剛社長)は、中小企業向けERP(基幹業務システム)と連動した業務自動化に力を入れる。第一弾は「見積もり作成」と「中小企業向けERP」「業務自動化ソフトのRPA」の三つを組み合わせて、見積もり→受注→販売管理システムへの入力の一連の業務を自動化。見積書に入力したデータを販売管理に再度入力する二度手間を省く。キヤノンS&Sは、中小企業経営の大きな課題となっている人手不足の緩和、生産性向上を目的とした“ERP連携型の業務自動化商材”のシリーズ化も視野に入れている。

石原三起子課長(左)と村田由紀子課長

 今回のERP連携型の見積もり自動化では、キヤノンS&Sが主力で取り扱っているオービックビジネスコンサルタント(OBC)、ピー・シー・エー、応研のERPと、NIコンサルティングの見積書作成ウェブシステム、ユーザックシステムのRPAを組み合わせた。主力3社以外のERPでは別途カスタマイズの費用がかかる。

 ERP連携型の業務自動化で、まず見積もり自動化に着手した背景には、中小企業の経営者から見て、見積もりから受注に至るプロセスは、売り上げや利益に直結する関心事であることが挙げられる。加えて、現場の営業マンが作成した見積もり案をオンラインで素早く上司が承認し、すぐに顧客に提示することで顧客対応の迅速化、満足度の向上につなげるとともに、受注後のデータをRPAで自動的にERPに反映して生産性向上、働き方改革にも役立てられる。

 RPAを巡っては大企業から採用が始まったが、IT専任者がいないことが多い中小企業では「RPAのカスタマイズやシナリオづくりのハードルが高く、普及が遅れている」(石原三起子・基幹ソリューション推進課課長)という。そこで、自動化の対象とする業務やERPを絞り込むことでカスタマイズなしでRPAの活用を可能にした。金額は5ライセンス分の見積書作成ウェブシステムとRPAソフト、実行テンプレートのセットで年額29万4800円(税別)と分かりやすくした。初期導入費用は45万円。「従業員数10人の中小企業でも費用対効果が出るよう設計した」(村田由紀子・サポート統括部HR推進課課長)と話す。向こう3年間で700社への納入を目標に据える。

 キヤノンS&Sが属するキヤノンマーケティングジャパングループでは、グループ全体のITソリューション売上高を2018年12月期の1977億円から25年までに3000億円へ拡大させる計画。全国約170拠点を展開するキヤノンS&Sは主に地域(エリア)市場を担当しており、ここでのITソリューションビジネスが売上増に重要な役割を果たす。なかでもERP関連の占める比率は大きく、ERP関連ビジネスのアップセルや他社リプレースを進めていく切り札としてERP連動型の業務自動化商材をシリーズ化し、「ERP関連ビジネスの活性化につなげていく」(石原課長)考え。(安藤章司)