NECと水資源機構は、長良川河口堰でアユの遡上数を自動で計測するシステムの実証を今年4月から8月まで実施し、計測品質の均一化や計測業務の効率化の効果を確認した。


 日本三大清流といわれる長良川は、2015年に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されるなど川の漁が盛んだ。水資源機構は、長良川河口堰の運用開始以降、河口堰の魚の遡行を補助するために河川、ダムなどに人工的に設けられた通路「魚道」を遡上するアユの稚魚の調査を、遡上が確認され始める4月から6月末までの間、ほぼ毎日実施している。

 これまでの調査は、魚道にカメラを設置し、日の出から日没までの約12時間録画した映像を目視で計測していた。より効率的な計測方法を目指し、AIを用いた自動計測システムの検討・実証を行った。
 
実証の概要

 今回開発したシステムは、魚道に設置したカメラ映像をクラウド上に保管し、あらかじめAIで学習させた稚魚の泳ぎ方から、アユかアユ以外かの魚種判定を行い、自動でアユの遡上数を計測する。

 今回の実証では、天候や日照条件に左右される屋外の映像でも約94%の精度となる計56万匹のアユをほぼリアルタイムで計測し、目視での計測と比較して、計測品質の均一化や計測業務効率化の効果を確認した。
 
長良川河口堰の魚道(実証の様子)

 NECは、魚道での計測調査を同様に実施している他の施設への応用・展開を視野に入れ来年度の実用化を目指す。