日立製作所は、統合システム運用管理「JP1」の大規模コンテナ環境の運用監視や、業務自動化ソフトRPAの運用支援機能を強化している。システム刷新のタイミングで、コンテナ型仮想化の技術を取り入れるユーザー企業が増加。RPAにおいても複数ベンダーの製品が混在するなど運用の複雑化が進んでいる。こうした動きを踏まえて、日立製作所ではこの1月末から順次出荷を始めているJP1新バージョンで大規模コンテナ環境やRPA運用への対応力を一段と高めている。

右から加藤恵理主任技師、西部憲和主任技師

 コンテナ型仮想化は、クラウド環境に最適化したクラウドネイティブの主要技術の一つであり、北米市場では数十万から百万個単位のコンテナを大量稼働させるユーザー企業も出てきている。既存のシステムから必要に応じてコンテナ型へと部分的に切り出す方式が多く、「既存システムとコンテナ型が併存する混在環境が一段と進む」(加藤恵理・アプリケーションクラウドサービス事業部運用マネジメント本部チャネルビジネス推進部主任技師)と見ている。

 そこで、JP1では、コンテナ型仮想化や、従来型のハイパーバイザーを使った仮想化、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)といった複数方式の仮想化/ミドルウェア層や、オンプレミスやIaaSといった複数のITインフラ層、ネットワーク層に至るほぼすべての情報を統合的に可視化する「JP1/Integrated Management 2(IM2)」の機能を強化。この「IM2」で障害を切り分けつつ、より具体的な調査を行う「JP1/Operations Analytics」で障害箇所を特定。実際の対処は開発元ベンダーや第三者が提供する専門ツールなどと連携して障害を解消する。
 
情報を統合的に可視化する
「JP1/Integrated Management 2(IM2)」の画面イメージ

 また、近年、急速に普及が進んだRPAは、クライアント端末で稼働するタイプや、サーバー側で稼働するタイプなど複数方式が出ている。ユーザー企業は「用途に合わせて使い分けている」(西部憲和・IoT・クラウドサービス事業部事業推進本部ソリューション事業推進部主任技師)のが実態だと話す。導入が簡単で、使い勝手のいいクライアント型のRPAは部門単位で導入するケースが多く、サーバー型はより大規模な導入になる傾向がある。

 システム全体を管理・運用するシステム部門から見れば、タイプの異なる複数ベンダーのRPAが混在し、稼働状況が見えにくくなっていことから、RPAジョブ管理「JP1/Client Process Automation」は顧客からの引き合いが急増。第3四半期(2019年10~12月期)は前の四半期に比べて「およそ2倍のペースで受注が増えている」(同)。

 さらに、ここ20年近くシステム運用管理ソフト分野で協業関係にあるNECと、RPA運用管理分野でも協業範囲を拡大。今年3月をめどに両社協業でRPAの運用管理ガイドを共同で策定したり、両社の関連製品を相互にOEM供給していくことで製品ラインアップを拡充し、異なるベンダーのRPAを計画通りに稼働させたり、不具合の監視、運用負荷の軽減を支援していく。(安藤章司)